「ダックダックゴー」の検索表示画面は、ずいぶんとスッキリしています。グーグルでお馴染みの、PPC広告がありません。こんなに殺風景で、利益出るの? それ以前に、検索エンジンの開発運営コストや、メンテナンス費用は捻出できてるのか心配させるほどです。
綺麗ごとを並べるだけで稼ぎがゼロなら、企業としては失格です。DDGが宿敵とみなすグーグルは、2018年の3四半期が終了した時点で、975.43億$、ざっくり円換算で11兆223億円の売上げ計上。DDGは?両社は稼ぎ方もまったく違うので、比較してみましょう。
ダックダックゴーは黒字会社
DDGは創業から6年後、2014年に黒字転換しています。個人のプライバシーを収集し活用することなく、利益を出しています。DDGの収益の柱は、広告とアフィリエイト収入です。We are proud to have a profitable business model that doesn't rely on collecting personal data.
Our Founder & CEO explains how we make money & why companies like Google & Facebook could still be wildly profitable without invasive tracking: https://t.co/mkxTEvCdEe
— DuckDuckGo (@DuckDuckGo) 2018年6月26日
ダックダックゴーのマネタイズ
広告収入
DDGで腕時計と検索すると、表示された画面がこちらです赤いラインで囲った画像は、広告です。あなたの情報を元にしたターゲット広告ではありません。腕時計という検索クエリに基づくシンプルな広告です。出稿元の企業から広告料をもらっています。
アフィリエイト収入
もうひとつの収入は、アマゾンとebayからのアフィリエイト収入です。両社ともアフィリエイト・プログラム制度があり、DDGもこちらに参加しています。一般個人と同じ料率なのかは、定かではありません。先ほどの画像の、緑のサークルで囲った部分を見てください。検索したユーザーがアマゾンの記事へ移動し、ここで買い物するとDDGにコミッションが支払われます。これは内緒ごとではなく、DDGのワインバーグCEOが公けにしています。ただし、検索順位には影響しないとも言及しています。
「検索エンジンって、アフィリエイターなのか」と驚いたあなた。続けて勘ぐりませんでしたか?グーグルがアップデート後に、俺様のサイトを差し置いてアマゾンや楽天の店ばかり上位表示するのは、これが理由かと。
あなたの勘ぐりは、明らかな間違いです。グーグルの売上に、アフィリエイトの項目はありません。ビジネスモデルが異なるのです。
Googleの収益構造
2018年のQ3決算で確認
グーグルの売上の85%は、広告収入です。うちPCやスマホの検索画面、GMAILやYoutubeなど自社サイトに表示する広告の収入が83%、提携サイトでの広告収入が17%です。個人サイトのアドセンス広告収入は、後者に含まれます。その他の項目は、グーグルプレイを介して販売されたゲームやアプリの販売手数料、グーグルクラウドの利用料、独自アプリやハードウェアの売上、投資収入などで構成されています。
2018年8月のコアアップデート後も、アマゾンが非常に強く、上位に表示されているという声が聞かれました。もしやGはアマゾンアソシエイト会員にでもなったのか、と疑って決算書を見てみましたが、その事実はありませんでした。
蟻んこと巨人
収益やビジネスモデルの洗練度からしても、DDGとグーグルはまるで、蟻んこと巨人です。グーグルに噛みつく可愛いアヒルを見ていると、ドンキホーテを思い出します。ただし、ひとや物、企業の存在意義は、金銭価値やビジネスモデルのグレードだけが尺度ではないことも事実です。下の画像は、2011年に創業者兼CEOのワインバーグさんが、フォトショップで作ったDDGの看板です。
実物にはSearch better at DuckDuckGo.comの1行が追加されました。プライバシーを追跡されないのは安心ですが、検索エンジンとしての、使い勝手としてはどうなのよ? この辺りも、チェックしてみようと思います。
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