チャーチルダウンズ競馬場の特徴と高低差・コーナー曲率・直線

ケンタッキーダービー

ケンタッキーダービーの舞台、チャーチルダウンズ競馬場のダートトラックの詳細です。

・高低差、直線距離、コーナーは緩いかタイトかなど馬場の特徴
・ケンタッキーダービー勝馬たちの走破時計、ペース配分とスピード

について記載します。

まあ、2000メートルでもマイルでも米国勢の走り方はいっしょ。突撃、突撃!バテバテ合戦に変わりはありませんでした。
あと0.02秒詰めたら掲示板だったマスターフェンサーの走りと、前半ペースが速すぎたクラウンプライドに焦点をあててみます。日本馬なかなかやるじゃん!

ダートトラックの概要

ゲート位置とゴールポスト


  • コース全長:1周1600m幅24.1~4m、左回り
  • 直線距離:376メートル
  • コーナー曲率:全コーナー約R45
  • 高低差:平坦・高低差2メートル範囲内
  • 表層構成比:ローム砂75%シルト23%クレイ2%

コース高低差

トラックはほぼペタンコです。強いて言えば、向正面から3コーナー超えた辺りの600メートル区間が、2メートル高さの上り勾配です。0.33%程度なのでたいしたことはなさそう。そこから直線入までが緩い下りで、直線は平坦です。

控える馬が加速する3.4角間がプチ下りなのは、多少はよいのかも。
コーナーの曲がり具合は、中京ダート馬場の2角程度です。中京競馬場のコーナーRはバラバラですが、ここは全角ほぼ同じで、ガルフストリームやデルマー、ピムリコみたいにタイトでもありません。

ケンタッキーダービーのコース

ゴール直線を2回通過

走破距離:2000メートル
コース:直線入口から発走。左回り2ターン
レコード:1973年セクレタリアート 1:59.4

発走ゲートはゴール直線手前に設置されます。ここから左回りでコーナーを4つ通過して、ぐるっと周回し発走地点に戻り、2度めの直線の先がゴールポストです。

日本馬にとっては、2ターンの方が良いかも。
ワンターンだと、発走するや否やぶっ飛ばし、長い向正面を息つく暇なくぶっ飛ばすスピードレースになりがちです。気休め程度とはいえ、若干緩むコーナーが多いほうが良さそうです。

勝利時計はどれくらい?

Fastは2分ちょいSloppyはプラス1秒

レコードは馬ばなれした馬セクレタリアートの持つ1:59.4です。2分を切ったのはこの馬とモナーコスの2頭だけ。
馬場状態Fastで2分~2分3秒台、水が浮くスロッピーだと2分2~4秒台で走れば勝てます。これが並大抵じゃない・・
クラウンプライドはケンタッキーダービーで好走する「理由と考察」
ケンタッキーダービーに出走する日本馬クラウンプライドは優勝はしないが、好走できる力がある。UAEダービーの区間ラップをもとに馬の実力を分析します

ケンタッキーダービーのペース配分

優勝馬が走破したペース

2頭降着なので、優勝馬ではなく1着馬のラップです。

年・状態1着馬走破タイム400m800120016002000
2021FastMedina Spirit2:01.0223.0923.6124.5124.7725.04
Mandaloun2:01.5023.2923.8224.3124.5925.09
2020FastAuthentic2:00.6122.9423.2023.9224.6425.91
2019SloppyMaximum Security2:03.9622.3524.2725.8826.1625.31
2022FastRich Strike2:02.6123.0824.2424.7026.2924.30
2019マスターフェンサー2:04.5924.6424.1525.0926.1124.60
マスターフェンサーが出走したさいの1着馬は、降着されたマキシマムセキュリティでした。
マスターフェンサーはずっとビリで追走し、角田師がインタビューでケンタッキーの美味しい寿司屋を探しに来たと言ったのは本音か?と思わせる印象もありました。
正直、観てて切なかったです。
ところが、直線に入ると事態はガラリと一変します。
内に潜り込むと、泥まみれで9頭抜いちゃった。掲示板までわずか0.02秒、上がりはもちろん最速だった!

マスターフェンサーの区間ラップは希望の光

上がり最速

Mセキュリティとマスターフェンサーの区間ラップは、日米競馬の違いそのものです。最初の2ハロンでついた差は2秒以上。
日本では控えても、最後尾の印象はない馬です。ついていけなかったのか、ついていかなかったのかは謎です。マスターフェンサーは無謀な追走をせず、彼なりのトップスピードを直線で爆発させました。
残り400からゴールまでの

・Mセキュリティのラップは25.31秒、マスターフェンサーは24.60秒
・平均速度は57.6km/h 59.4km/h
・最高速度は66.6km/h 63km/h

Mセキュリティの最高速度は最初の2ハロンで計時、マスターフェンサーは最後の直線で記録されました。

2頭の着差は0.63秒、3.5馬身差くらいでしょうか?
単純計算すると、4角でマスターフェンサーがMセキュリティの後方11メートルにつけていれば差し切り優勝でした。
実際は18メートルくらい後で通過したのではないでしょうか。この7メートルを縮めるためには、追走スピードをもうちょい上げる必要があり、そのぶん末脚のスピードは鈍るけどね。
日本馬らしい走りを磨けば、優勝だって西から昇る陽ではないように見えます。
7メートルを埋める日本調教馬はいつか現れる。至難の技ながら、米国スタイルの突撃競馬で真っ向から勝つ馬も出てくるかもしれません(現時点では白目)。

2019年G1ケンタッキーダービー動画 マスターフェンサー6着


クラウンプライド13着

ルメール騎手がペースを測れていたら・・

この馬の着順は違ってたでしょう。
クラウンプライドが買ったUAEダービーの2着馬Summer Is Tomorrowが45.36秒でレース前半を牽引し、続くクラウンプライドも45.51秒で800を通過します。
KYダービーのペースを1秒も上回るスピードです。
2022クラウンプライド2:05.7221.9423.5724.8226.6928.70
800~1200mを最速で通過し、Messierにつぐ2番手で直線に入ります。その後はもちませんでした。
ペースが速すぎたおかげで、1200~1600区間のレースペースは滅多にない26秒台に緩み、最初の800を45秒台で通過した5頭は、全頭10着以下でゴールしています

2022年G1ケンタッキーダービー動画 クラウンプライド13着

クラウンプライドは馬場が合ってて、スピードとスタミナを兼ねてたから本当に悔しい!米国競馬民もガッカリで、お世辞抜きでアメリカの騎手を乗せてBreeders Cup走れの声が飛んでました

勝ったRich Strikeの直線追い込み

前潰れタナボタ優勝のこの馬は、3角まで18番手追走。そこからスピードを上げて14番手で直線入り。
ゴールまでの走りは下のツイッターのNBCドローン動画をご覧ください。ラスト400を24秒ちょいで走れば、本当に優勝しちゃうんだから!馬も頑張ったし、鞍上渾身の追いも見ごたえがあります。

👑Rich StrikeはEpicenterに1秒23遅れ
ラスト400に突入🙃3角過ぎて
ポジション4上げた14番手。残り400を
エピは平均57km/h、勝馬は60km/hちょい
走破。15m詰めれる速度差
エピの25.64秒は特別遅くない
🇺🇸馬は概ね25秒台に落ちる。射程圏内に
いて60km/hで走れば誰でも勝てる例 https://t.co/CCJRrvPAAn

— 管理人へんてこでそーな (@Nimporte_quoi_A) May 9, 2022


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