さよならウィンクス
女帝ウィンクスは、4月13日に7歳で引退します。2015年5月以降は全レースで優勝、ラストランを勝利で飾れば、
- 33連勝記録
- G1レース25勝
- 生涯成績43戦37勝
- 世界ランキング首位
キリっとして威風堂々たるウィンクスは、まさにエンプレスそのものです。月に2度も出走して、あたりまえのように一着でゴールする。世界3女傑のほか2頭、エネイブルとアーモンドアイとくらべても、いちばん貫禄がありますね。
繁殖馬として、素晴らしい遺伝子を伝える役目を負うウィンクス。ディープインパクトも交配の候補にあがっているようです。ウィンクスとディープの子どもなんて想像するだけでもドキドキします。
女帝ウィンクスのラストラン
4月13日にシドニー郊外のランドウィック競馬場で開催される、クイーンエリザベスステークス2000メートルが、ウィンクスの花道です。このレースも、2017年からウィンクスが連覇中です。南半球の王者決定戦コックスプレートも、4年連続で彼女が優勝です。
やっぱり勝った、ウインクス!日本のクルーガーも健闘しましたが、ウィンクスには敵いませんでした。
Never in doubt. Relive Winx's Queen Elizabeth Stakes. #WINX #GoWinx pic.twitter.com/sSu28d88o7
— Racing.com (@Racing) 2019年4月13日
ウィンクス引退後の3女傑体制
女帝が去ったあと、新しい女傑トロイカが生まれそうなのです。エネイブルとアーモンドアイ、そしてウィンクスが抜けた大きな穴を、埋めてくれる可能性を秘めたスーパー牝馬がアメリカにいます。調教師が、変わった馬と評するその牝馬は、昨年のアメリカの競馬の祭典ブリーダースカップで、どの馬よりも話題を集めました。BCターフで優勝した、エネイブルの影を薄くするほどの衝撃的な勝利です。
牝馬の名前は、Newspaperofrecord。2歳牝馬のチャンピオンを決める、BCジュヴェナイルフィリーズターフを制した女の子です。
米国の逃げ馬ニュースペーパーオブレコード
チャーチルダウンズを沸きにわかせた、2歳のオテンバ娘の走りっぷりをご覧ください。コーヒー噴いて爆笑してしまいました。2着の馬をおよそ7馬身引きはなしての圧勝です。
A freaky filly
Newspaperofrecordという名前からして変わってますが、(なぜ、権威ある大新聞みたいな名前つけた?)もっと突拍子なのが、彼女の勝ち方です。2018年の8月にデビューして、現在3戦全勝中のニュースペーパーオブレコードは、毎回ハンで押したように、後続に豪快な差をつけてのゴールです。
最初から先頭で飛ばす逃げ馬ですが、最後の直線で差をつめられたりしません。ぎゃくに思いっきり加速して、完全な一人旅で帰ってきます。影さえ踏ませないとは、この娘のことです。
こんな牝馬が、ダートを選ばず芝を走るのも不思議ですが、調教師のブラウンさんも驚くほどの異才ぶりです。今のところは、マイルか1700mあたりが主戦場です。
距離を伸ばしてきたら、エネイブルもアーモンドアイも脅かす存在になるに違いありません。そんな彼女の次走はどこでしょう?
ロイヤスアスコットに遠征
そんなニュースペーパーオブレコードの2019年の始動は、5月3日チャーチルダウンスで開催される1700メートルの国内レースです。その後、英国のロイヤルアスコットに遠征が報じられています。6月21日のコロネーションステークス1600mに出走するなら、これは見ものです!ブックメーカーは既に、彼女に5.0のオッズをつけています。アスコット競馬場でもお得意の爆走を決めるとなれば、彼女は真の逸材ですね。
アスコットのマイルレースは、下り坂の最も低い地点からスタートします。ゲートを出て前半の800メートルは20メートル高さを登る坂です。ふうふう登って直線いりしても、そこには波うつような起伏がまっています。
ウィンクス・エネイブル・アーモンドアイは、爆速の末脚をほこる差し馬です。毛色のちがう新人女傑が、どんな走りを見せてくれるのか、今年は目がはなせません。
ロイヤスアスコット断念
あろうことか、5月3日のエッジウッドSで、ニュースパーパーオブレコードは2着に終わってしまいました。これでロイヤスアスコット出走は白紙に。ニュースパーパーオブレコード銀行として、大金をベットしていた米国人の屍の山が築かれました。
Mikleさんに怒られる
いい馬だけど、エネイブルやウィンクス、アーモンドアイと比べる連中がいたよね。誇大広告がトーンダウンしそうでいいねNewspaperofrecord is good but there were those here comparing her to Enable, Winx, Almond Eye. Hopefully that hype calms down just a bit
— jean mikle (@jeanmikle) May 3, 2019
たしなめられました~反省。ただし、この娘の才能に疑いはありません。必要なのは、調教だと思います。直線で疲れて抜かれたら、あっさり勝負捨てちゃった(泣
迷走する新女傑
2着からビリッケツへ
6月6日のワンダーアゲインSでは同厩舎のキャンビアパークが勝利をさらい、彼女は2着。続く7月6日の大舞台、ベルモントオークス2000メートルでは、なんと最下位の9着でした。逃げる戦法から、抑える作戦に変化しています。全米が泣きました。彼女を育てるブラウン調教師は、
「アイラッド(騎手)が悪いんじゃない、馬が走らないんだ」「逃げても速い馬に追いつかれる、走法を変えないといけないんだ。彼女はしばらく前線から遠ざかる」
サートゥルナーリアを超える悲劇が、太平洋の向こう側で進行中です。彼女のことを一番分かっているのはブラウン師だと思いますが、やっぱり、マイルを爽快に逃げきるニュースペーパーオブレコードが見たいです(泣
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