リンク税で個人のサイトやブログもライセンス料を請求されるのか

wordpress備忘録
リンク税アップロードフィルター、欧州議会で可決

3月26日、EUの著作権指令改正案が欧州議会で可決されました。EUサイトにリンクを貼るさい、YoutubeやTwitterに動画や画像をアップするさい、ブロガーや個人のサイト管理者が注意すべき内容を追記します。
この改正を舐めていると、恐ろしいめにあいますよ


議会を通過してしまったので、加盟28カ国は国内法の整備に着手します。2年後までに、指令にそった細かい規定を定めなくてはなりません。

Copyright Directiveを真面目に読んでも漠然としすぎで、「で、どんな風に気をつけろと?」視点で読んでいくとイラっとします。あなたが貼り付けるリンク先が、ドイツのメディアならドイツの法律、フランスならフランスといちいち参照を強いられることになります。

欧州議会-新しい著作権に関するニュース-の内容に照らしながら、変更点をみていきます。

11条リンク税

Hyperlinks to news articles, accompanied by “individual words or very short extracts”, can be shared freely
ニュース記事のリンク貼るときは、単語数個か超みじかい抜粋なら無料と書かれています。
たとえば、今秋アーモンドアイが凱旋門賞で勝った報道記事のリンクを貼るとします。こんなハイパーリンクを貼ったら
AlmondEye  won Prix de l’Arc de Triomphe at Longchamp news
周りにどんな抜粋文を配置するかが、有料と無料を分ける鍵になります。
無料 「アーモンドアイ凱旋門賞勝った」
要ライセンス料「ゴール前でへたれたエネイブルと、口ほどにもなかったシーオブグラスを軽がる抜いて、アーモンドアイが一着でゴール、凱旋門賞に輝いた。トップスピード90kmという脅威の速さで、史上初、日本馬が世界の女王に!」
調子にのって長文引用してしまうと、有料です。無料ですませたい場合は、数語でそっけなく引用しましょう。
1記事あたりのライセンス料の設定が、いくらになるかを発表している報道機関はありません。こちとら500円までしか払わないぞ、こんちくしょう!因みにわたしの記事へのハイパーリンクは、未来永劫0円です。どんどんやって(除くエロサイト、犯罪サイト)
Journalists must get a share of any copyright-related revenue obtained by their news publisher
ジャーナリストは、パブリッシャーから著作権収入を得なければならないべきではなくて、マストです。お金とらずに長文の抜粋表示させて、自分の記事にPV誘導はNGっていうことなんでしょうね。抜けがけ禁止条項に見えます。
今回の発表だけ読むと、オンライン報道の記事リンクだけじゃんと勘違いしそうです。が、著作権指令全文を読むと、それは違うとわかります。すべての作品やワークが著作権の対象ですから。
例外もあります。Wikiや GitHub、学術論文、教育関連などのごく一部には、無料の引用が適用されます。けれども、あなたのサイトやブログは、ここに含まれません。

13条アップロードフィルター

Youtubeやツイッター、Facebook、インスタなどへのアップロードは、慎重に行ってください。あなたが著作権に違反する作品をあげれば、プラットフォームも損害賠償金を課せられることになりました。
Internet platforms are liable for content that users upload。Start-up platforms subject to lighter obligations。Some uploaded material, such as memes or GIFs, now specifically excluded from directive
あなたが問題をおこすと、もちろんあなたも請求の対象です。変更点は、プラットフォームもあなたの尻ぬぐいにお金を払わせられることです。あなたの作品は削除され、めでたく垢バンです。
プラットフォームには毎秒毎分、数えきれないほどのユーザー投稿がアップされています。コピーライト違反を振り分ける技術もなければ、目視でチェックするような人手もありません。
アップ時にフィルタリングして、足切りが行われることになります。あなたは、画像、音声、テキストの全てに敏感になって、引っかからないように注意しないといけなくなります。インターネットがつまらなくなりそうですが、背に腹は変えられません。
日本はEUではありませんが、プラットフォームの仕様変更はグローバル単位です。検索エンジンのアップデートで商売の浮き沈みを経験したひとは、身をもって知っているはずです。
日本はEUじゃないから目こぼしではなく、日本でも厳格化はまぬがれません。
2019.03.28 へんてこでそーな追記。





EU圏のウェブサイトにリンクしたら、請求が発生するのか?
「欧州サッカー情報」や「ヨーロッパお洒落通信」みたいなサイトの主は、無関係ではいられません。どんなウェブサイトの運用者であれ、EU圏のサイトのハイパーリンクを貼ろうとしているあなた。その行為は無料だと断言できますか?
迷えるブロガーやサイト管理者の、迷いをはらう情報をまとめました。
アーモンドアイをこよなく愛する当ブログは、彼女の宿敵エネイブルに関するニュースに発リンクしたり、Youtubeのレース動画や関連Twitterを埋めこんだりしています。
ある日突然、請求書がとどいたらどうしよう?恐怖を感じ、リンク税についていろいろ調べてみたので、参考になれば幸いです。
また専門家の情報収集にも役立つよう、信頼できる情報の収集元も紹介します。





リンク税とは何か

リンク税とは、EUの著作権指令の改正案を指す言葉です
2019年2月現在、EUの立法手続きにもどづき、欧州委員会、欧州議会、理事会の三者協議が進行中です。トリローグと呼ばれるこの協議は、2月11日が終了日です。
予定どおり進行すれば、この日に法案が完成し、3月末か4月のはじめに欧州議会に提出されます。トリローグは、法案を可決させるための詰めのプロセスです。欧州議会の採決で、否決されることはまずないでしょう。
今回の改正でとくに問題視されているのが、Article11とArticle13bの条項です。
Article11と13に関する詳細原文

Article.11リンク税

11条の改正案こそが、呼称リンク税の生みの親です。リンク設定するだけでお金とるのかよ?と世間を震撼させていますが、発リンクすると、本当にライセンス料を要求されるのでしょうか。

リンク税導入の目的

欧州議会のFAQによれは、Link Taxは税金ではありません。オンラインニュースのポータルサイトが得る莫大な利益を、コンテンツを作ったジャーナリストへ分配するシステムです。
European ParliamentのFAQに、主旨が明記されています。
ターゲットは、一般ユーザーではない。YouTube、Google News or Facebook、pintarestなど、大手のプラットフォームや報道ニュースを集めたポータルサイトに、発信者であるアーティストやジャーナリストへ正当な報酬の支払いを義務化するものだ。
  • ニュース記事のヘッドライン・抜粋文・画像表示は発信者の許可要
  • ニュース記事の分析やモニタリング、情報の正確性など記事ネタにする場合も有償
  • EU圏のパブリッシャーの収入保護が目的
  • スニペットを使いコンテンツにタダ乗りする Google、フェイスブック、Twitter、Pinterestなどがターゲット

Googleの対抗策

真剣なのかネタなのかは不明ですが、EU圏で最新ニュースを検索したら、こんな結果になるけどいい?これは・・もうミステリー検索ですね(笑

出典:Search Engine Land-Greg Sterling-
報道機関のサイトへの検索流入がごっそり減り、スペインやドイツの経験と同様、権利放棄で終わりそうな未来が見えます。

個人もライセンス料はらうの?

ターゲットは、検索エンジンやGoogleNewsのようなサイトであることは確かです。けれども、草案には気になる記載があります。
SNSでニュース記事をシェアしてスニペッドを表示させたり、記事の分析やモニタリング、正確性についてツッコミ記事を書いたりすると、ライセンス料が発生します。
研究機関などの例外規定をのぞき、対象に制限はありません。著作権の保護期間は20年です。
これはちょっと心配です。改正案が通って法施行となれば、記事の削除を検討しなくてはいけないかも。




ライセンス料請求詐欺の発生は必至

報道機関が個人のサイトに請求行動をおこすかというと、疑問です。
しかし、リンク税請求詐欺は絶対に現れることでしょう。個人サイトを巡回してEUニュースへのリンクとコメントを見つけたら、請求メールを送りつける。
著作権侵害はアドセンスの垢BANだけでなく、申し立てが認められれば、サイトが検索エンジンのINDEXから削除されるNG行為です。copyrightがなんちゃらと英語で書かれた恐ろしいメールを見ただけで、飛びあがって振り込むひとも出てきそう。

Article13.著作権侵害の監視義務化

ユーザーが大量に投稿をアップする大型のプラットフォームは、全てのコンテンツの監視を義務づけられる。著作権を侵害するコンテンツがあると、プラットフォ-ムが法的な責任を問われる。
指摘される問題点

  • 表現の自由をおびやかす
  • 検閲フィルター
  • ミームをつぶす
  • 新規参入の障害
たとえば、YouTubeが違法なコンテンツを見落とせば、訴訟をおこされることを意味します。 YouTubeには毎分に400時間分の動画がアップされます。著作権のデータベースと投稿された動画を自動的に照らし合わせ、フィルタリングできるような技術は、まだこの世に存在しません。
アーティストのカバー曲の動画をアップするユーザーや、政治家や映画のパロディを投稿するユーザーもいます。13条bが盛り込まれれば、フィルタリングで著作権違反とされ、門前払いをくらいます。※追記 これらは著作権侵害にあたらないとし、欧州議会が否決しました。

プラットフォームの著作権に対する姿勢強化

違法な投稿を放置すれば、プラットフォームも責任を問われます。ツイッターやFB、Googleの著作権に対する姿勢は、より厳しくなりそうです。

ミーム

いわゆるミームは禁止されません。元コンテンツを利用したGIF、アーティストの曲を歌う動画のアップは、著作権侵害にはあたらないと、欧州議会は否決しました。
映画のワンシーンを集めたミックス動画や、楽曲の一部を切りとってランキングに編集したスーパーカットなども、規制の対象外です。

法改正で想定される影響

  • プラットフォームの著作権に対する姿勢がより厳格に
  • 個人サイトもコンテンツフィー請求対象
  • 詐欺請求




Digital Copyright Directiveリンク集

▶Copyright DirectiveEU著作権指令全文

▶Copyright law of the European UnionウィキペディアEUの著作権法

▶EU Coryright ReformEU著作権改正 グラスゴー大学CREATe

▶JULIA REDA EU copyright reform/expansionジュリア・レダ議員EU copyright reform/expansion




コメント

  1. 螺王 より:

    なんかこう、「ミームやパロディ、単なるハイパーリンク等は規制の対象外」とか言って、あたかも規制を緩めているように見せかけて、反対派を怒らせないように小細工しているのが気になる。
    最近のDL違法化対象を広げようとする法案みたいに。

    しかも、今回(2019年3月27日現在)の投票でも、案の定賛成多数だったけど、これ絶対誰か裏で操作してるでしょ!?あくまでも憶測だけど。

    あとEU(特に欧州議会)諸君…

    一旦、財政破綻して潰れた方がいいかも。

    • へんてこでそーな より:

      こんばんは~

      裏にいる人だれなんですかね~ITジャイアンどもを解体せよって叫んでるマードックさん以下
      紙・電波メディア勢もなのかな・・

      個人は狙ってないといいつつ、11条でも13条でも罪なき個人が大きな影響受けるわけだし
      世知辛くて、困ってしまいますね。

      >最近のDL違法化対象を広げようとする法案

      こんなのもあるんですね。進展したら、どんな風に厳しくなるのか教えてほしいです。

  2. 螺王 より:

    ご返信ありがとうございます。

    本当に、EUがこんなに馬鹿げた真似をする国家だとは思ってもみませんでした。

    また、ダウンロード違法化については、映像や音声だけでなく、画像や文章など、あらゆる種類の著作物を違法ダウンロード規制の対象にしたいと、文化庁は発表していました。

    ただ、法案では、「違法だと確定的に知り」「常習的にダウンロードした場合」が刑事罰の対象となり、違法アップロードされた著作物を「閲覧する」のは規制しないそうです。

    しかも、現時点の状況では、次の国会に見送りになりました。理由は、いったん国会に法案が提出されたものの、自民党内で議論が激しかったからです。

    このまま、法案が全廃になることを祈るばかりです。

    • 螺王 より:

      こちらに署名サービスがございます。

      https://www.change.org/p/european-parliament-stop-the-censorship-machinery-save-the-internet

      もしよろしければ、署名されてみてはいかがでしょうか。

      • へんてこでそーな より:

        こちらもありがとうございます。チェンジオルグ見てきました。

        J.REDAさんが、500万人の署名無視って突っ込んでたのは
        これだったのですね。
        わたしも名前書いてきます☆

        また何かありましたら、教えていただけると嬉しいです。

    • へんてこでそーな より:

      ダウンロード違法化の詳細情報、ありがとうございます!
      内容がわかり、無知から少し賢くなれました。

      >映像や音声だけでなく、画像や文章など、あらゆる種類の著作物を
      違法ダウンロード規制の対象にしたい

      狂気を感じる規制ですね。見送りになったそうで
      ほっとしました。

      確信犯が対象で、閲覧者側は処罰されないのは
      大人の良識を感じますが、それでもこんな規制は
      やめてもらいたいです。全廃大賛成です。

      ユーチューブも垢BAN祭りが始まったようで
      偉いことをしてくれましたよね。ため息です。