「メロディーレーン」常識をひっくり返す小さな可愛い怪物牝馬

スーパー牝馬

日本の競走馬の平均体重は、ざっくり470kgです

9割の馬が400kg台のどこかに分布しており、500超えは「デカい」、400切ると「走れるのか?」と疑問符がつきます。
Melody Lane
Melody Lane
あたしの体重は340キロ。ごはんに混ぜるオート麦が嫌いだから大きくならないの・・

小さいを通り越して、衝撃的なサイズです。

そんなメロディーレーンが日本のみんなを勇気づけています。精いっぱい脚を伸ばして懸命に走る彼女の姿は、心療内科のカウンセリングの100倍効くと評判です。
記録を塗りかえ見る人を唸らせる、メロディーレーンってどんな女の子なんでしょう?彼女の凄いとこ4つ紹介します

絶体絶命の大ピンチからアイドルへ

3歳夏鮮やかに勝ち上がる


心肺機能とスタミナに恵まれたメロディーレーンの才能が、開花した瞬間でした
この日まで、メロディレーンは勝てない無名の牝馬でした。2000メートルを中心に頑張っていましたが、成績は9戦0勝。
3歳のうちに1勝できない競走馬は、地方競馬や障害競走へ進むか、乗馬クラブで生き延びるか、運がなければ


カリカリになる厳しい現実があります。3歳メロディーレーン9戦0勝。時がすぐ後に迫っています。
「小さすぎて無理かも・・」と匙を投げかけた馬主さんを森田調教師が説得し、距離延長でのぞんだ2戦目で9馬身差の圧勝。JRA最小体重優勝記録を更新しました。

2600m芝コースの日本記録を塗り替える

Melody Lane
Melody Lane
今度は2600メートル走って、記録を更新しちゃったの。先生やみんなにナデナデしてもらって嬉しかった♪

驚くなかれ。初めて勝利をつかんだ3ヶ月後には、日本の芝2600メートルの最速レコードを塗り替えてしまいました。

芝コース2400メートルの世界記録保持者アーモンドアイの2つ下に、2:37.1秒の最速記録とメロディーレーンの名前が刻まれました。(現在はミスマンマミーアが記録更新)


メロディーレーンまさにこれ♪

どやっ!威張れる血統

メロディーレーン血統表 出典:wikipedia

お父さんは、凱旋門で2度も2着になった日本の宝オルフェーヴルです。お母さんは、長い距離も走れたメーヴェさん。
両親とも小柄ですが、娘とくらべると100キロ以上の大きさです。
父系の血統はおなじみですが、母方も豪華です。おじいちゃんのモティヴェーターは英国ダービー馬で、フランスの最高女傑トレヴのお父さんです。
ひい爺ちゃんに、凱旋門賞とキングジョージ制覇のモンジューの名があります。もう一頭のシャーリーハイツも英・愛ダービー馬だし、たいした血筋ですね。
Melody Lane
Melody Lane
性格はお父さん似じゃないの。おりこうさんって言われるのよ。あたし、ジョッキーを振り落としたりしないから




誰より重い荷をかついで激走

斤量比16%で直線10頭ごぼう抜き

3歳エリートが集結するクラシック最終戦、菊花賞に出走したときメロディーレーンの体重は340キロでした。
坂を2回も上り下りして、3000メートルの長距離を走破するタフなレースです。
女の子向きじゃないことは確かです。80回を迎えた菊花賞で、勝った牝馬はたったの2頭。出走すら珍しく、今年は10年ぶりでした。
菊花賞は定量戦です。普通の馬より100キロ以上小さいメロディーレーンも、規定の斤量を背負います。

牡馬:57kg
牝馬:55kg
メロディーが背負う55kgは、自分の体重の16%に相当する重さです。
例えると、海外旅行へ出かける人のスーツケースの重さが平均10kg。体重60キロの人が10kgのスーツケースを担ぐとき、その重さが16%の感覚です。
重たいので、人は担がずゴロゴロ転がします。メロディーレーンは背負って走ります。
ほかの出走馬は標準サイズなので、斤量比は16%もありません。ランナー中いちばん小柄なカウディーリョさえ、57kgは斤量比13.1%です。
全馬公平に16%の負担を課すと、恐ろしい世界が見えてきます。
  • 1着:ワールドプレミア(484kg)77キロ
  • 2着:サトノルークス (470kg)76キロ
  • 3着:ヴェロックス  (490kg)78キロ
こんなの積んで勝てるでしょうか?これがメロディーレーンの現実です。

菊花賞で驚愕の5着


2019年菊花賞JRA公式動画 メロディーレーン驚愕の5着
メロディレーンは18頭中15番目で最終コーナーを通過しました。直線ターンからゴールまでは400メートル。
なんと直線で10頭ゴボウ抜きしてしまいました。
走破時計は1着より0.4秒遅いだけ。上がり3ハロンのラップは、最速タイの35.7秒とお見事です。
賞金が足りず抽選突破で出走した小さな牝馬が、誰より重い荷を背負ってエリート牡馬をごぼう抜きにする姿をみれば、元気をもらえますよね。
アンカツさんも、お褒めのツイートを発信しました。


翌年、4歳になったメロディーレーンは、G1春の天皇賞をはじめ重賞レースに出走しましたが、勝利からは遠ざかっていました。
サイズは相変わらず340キロ前後で、ステージは2勝クラスの条件馬です。でも、5歳になって新たな成長を見せています。

重馬場も走れる

長距離輸送も体重プラス

メロディーレーンは輸送が苦手な女の子のはずでした。馬運車にゆられ遠い競馬場へ連れて行くと体重を減らし、ますます小さくなってしまうのです。
2021年の初戦は、九州の小倉で行われた「海の中道特別」です。ベースの栗東トレーニングセンターから8時間ドライブです。馬体が減ったと思いきや、2キロも増えていました。

道悪でも快勝

海の中道特別・重馬場1着


勝ち時計:2:42.3
上がり:37.7
力の要る重馬場です。いつも四肢を目いっぱい遠くへ伸ばして走るメロディーレーンが、ピッチ馬のように小刻みな足運びで快勝。
輸送もこなし、重馬場も器用に攻略して成長ぶりを披露してくれました。

次回勝てば、いよいよオープン馬だね。毎年数千頭デビューして、このステージまで勝ち上がれるのは僅か3%くらいだよ。

仔馬サイズで不利だらけのメロディーレーンの頑張りには、本当に頭がさがります。世界広しといえ、ここまで元気をくれる馬はいないのではないでしょうか?
オープン入りか重賞勝ちを追記できる日も遠くないかもしれません。楽しみです!


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