「コードグラバーとは何なの?」画像や映像をまじえて詳しく解説

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コードグラバーが使われた犯行の可能性

茨城のランドクルーザー盗難事件

2019年3月24日未明、右下の画像のホテルの駐車場で2台のランドクルーザーが盗まれました。
被害にあわれた方は2階と3階に宿泊中で、愛車との距離は離れています。リレーアタックによる犯行であれば、東大阪のレクサス盗難未遂の防犯カメラ映像と同じような映像が残されたはずです。
不審な人物がホテル内に入り、レンジ拡張器を手に館内をうろついて、客室のドア越しに電波を拾う姿の映像です。そのような人物はいなかった代わりに、6分間という大きな手がかりが残されていました。
リレーアタックやコードグラバーの予備知識は、まずこちらを参照ください

リレーアタック対策にアルミ缶やキーケースが役に立たなくなる理由
今後日本で増えていくのは、古典的なタイプのリレーアタックではありません。北米やヨーロッパを荒らしている、新しいリレーアタックです。アルミ缶やキーケースでは防げない、恐ろしくもハイテクな車泥棒の手口を説明します。リレーアタック機器の画像や動画も紹介しています。




コードグラバーって何なの?

あなたの車の鍵と同じくらいのサイズの、小さなキットです。

・鍵の紛失に備えスペアをつくる
・家族で車をシェアするため
・盗難防止に活用
これらが、本来のコードグラバーの用途です。スマートキーの隣において、所有者自身がキー信号をコピーして第2第3の鍵を作ります。生活の不便を解消するために、スペアキーを作るのです。
「コードグラバーを使えば自動車が盗める」と気づいた悪党たちが、悪用して泥棒にはげんでいます。コードグラバーが初めて世に出たのは、2005年ごろです。15年後の現在、生産国は中国や東南アジアに広がり、種類も派生品も豊富になりました。

どうやって盗むのか

あなたが車を降りてドアをロックする時、悪党Aのコードグラバーが、発信された信号を自動でコピーします。画像のキットは、100メートル範囲内の信号をキャッチできます。
前のバージョンは30メートルだったので、範囲は倍以上に拡大しました。500メートル圏内で送受信可能なコードグラバーも、販売されています。冗談でしょ?という言葉以外浮かんできません。
ロックコードが複製されたら、アンロックコードも自動で割りだされます。悪党Aはあなたの車のドアを開け、エンジンをかけて走り去ります。
ローリングコード?イモビライザー?後述しますが、結論からすれば、たいした問題ではないようです。




コードグラバー現行モデル

調べていくとやはり、ロシアメーカー製のPandora2.5やPandora2018あたりが性能面で抜けています。これらは、円換算10万円から60万円の価格帯で販売されており、アジア製の類似品よりゼロがひとつ多く値がはります。
メーカーによって多少年代がずれますが、5年くらい前までの、ほぼ全車種のキーレスエントリーシステムに対応しています。わたしの愛車も、しっかりリストにありました(汗 茨城県で盗まれた車がランドクルーザーの100シリーズなら、同じく、商品のテスト済みリストに記載されています。

ローリングコードにも対応

技術者のおかげで、スマートキーの仕様も日進月歩の進化をとげています。最初の頃は、キーから解錠信号を飛ばすだけでロックがはずれましたが、現在の仕様は、スマートキーと車体の双方間でシグナルを送受信し、認証が成立しなければ、ドアは開かなくなっています。
セキュリティの脆弱性を補うために、ローリングコードが採用されるようにもなりました。ドアを施錠・解除するたびに新しい認証コードが生成されるシステムです。誰かが信号を盗んでも、そのコードではアンロックできません。安心の仕組みですね。

ローリングコードも余裕で破られる

残念なことに、ローリングコードも難なくクリアされています。コードグラバーはだいぶ前から、ロールジャム機能を搭載して対抗するようになりました。
スマートキーの信号を盗むと同時に妨害電波を発信させて、新コードの生成を阻止する機能です。これをやられると盗んだ認証コードは無効にならず、ドアは開きます。
技術者と泥棒の攻防戦は、現在も続いています。決定打となるテクノロジーが生みだされて、追いかけっこの終わりが近いのかどうかはわかりません。生体認証とかドライバーの画像照合まで持ちだされているようなので、その方向へ収束するのかもしれません。

所要時間6分が示唆するもの

イモビライザーは働かないの?

ドアを開けられても、うちの今の車は発進できないんですよ~車上荒らしがせいぜいですね
某ディーラーさんのお言葉です。「本物の鍵がなければ、タイヤロックやハンドルロックが外れず、エンジンも始動しません。自動車そのものは盗めません」と、声に自信がみなぎっています。
残念ながらそうでもないようです。世の中には、便利な機器があふれています

Emergency startキット

ロシアなまりの英語がチャーミングな、4分20秒の動画です。2017年製のカムリにデバイスを接続して、ロックを解除する方法を、丁寧に説明しています。レクサスと書いてあるのは、共通システムを意味しているのでしょうか。
Test of an AST 4.0 device for the emergency start of the Toyota / Lexus engine (-2018)
確かに、本物の鍵をもたずにスタートボタンを押すと警告がでます。そしてデバイスが、いとも簡単にプロテクトを破っていきます。エンジンの音がなるまで、約3分です。
動画主の男性は、自動車泥棒の指南をしているわけではありません。鍵の紛失で困ったら、こうすればエンジンがかかりますよという手ほどきです。
ある意味親切で、始末が悪いとも言えます。このデバイスは、某所で約75万円で販売されていました。もちろん、ベンツ用アウディ用BMW用エトセトラで、よりどりみどりです。

犯行の6分間に行われたこと

茨城の事件で、ドアロック解除から発進までの6分のあいだ、犯人達は何を行っていたのでしょうか。もしかしたら、動画のような作業ではないかと推測しています。
もっと厄介なことに、ほかの可能性も否定できません。フロントのドライバー側のバンパーをずらし配線スパゲッティの一本のコネクターをとあるデバイスに差し替えて、ドアを開ける動画もありました。
車内でもうひとつのデバイスを接続させると、プロテクターがはずれイモビライザーの警告画面は、すぐに消えてしまいました。




カーシェア企業はご用心

カーシェアの鍵の受け渡しは、専用カードでキーボックス内の鍵をピックアップしたり、スマホにダウンロードしたアプリをスマートキーとして代用しています。
このアプリを破るアプリも、すでに出まわっています。まだまだ平和な日本ですが、あなたの車を盗む悪党は想像以上に高性能です。
警察や自動車産業の皆さまが決定打を見つけるまでは、物理ロックが一番安心だと思います。ハンドルロックやタイヤロックは、金属カッターでぶった切ろうとしても、目立つは音が出るわで厄介です。泥棒がよけてくれます。
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