スポーツの中で最も偉大な2分間
2016年に「日本版・ケンタッキーダービーへの道」制度が整いました。4つの国内指定レースで最多ポイントを集めた馬に、出走権がわりあてられています。
道はできたが、辞退する馬が続出。昨年ようやっと、マスターフェンサーが遠征し、チャーチルダウンズのトラックに立ちました。獲得ポイント数は4番めで、上位の馬が辞退した結果の出走でした。
行けるのに、なぜ辞退しまくるのか?
この疑問にせまります。
米国遠征のシビアな財布事情
ケンタッキーダービーの賞金
1ドル110円で計算すると、ケンタッキーダービーの賞金総額は約3億3000万円です。着順と賞金額を表にしました。右端が馬主の取りぶんです。
着順 | 賞金(US$) | 円換算(1$110円) | 馬主取り分 |
---|---|---|---|
1 | 186万$ | 2億 | 9400万 |
2 | 60万$ | 6600万 | 3500万 |
3 | 30万$ | 3300万 | 1750万 |
4 | 15万$ | 2250万 | 1565万 |
5 | 9万$ | 990万 | 685万 |
賞金対象は5着まで、優勝すると2億円です
- 優勝賞金からは、騎手のわけまえ10%、連邦税・州税28%がひかれ、オーナーに届くのは62%
- 2.3着は騎手分5%と上記の税金が引かれる
- 4着以下は騎手料金は引かれません。別途支払います。最低でも5万円
賞金を受けとったオーナーは、ここから進上金を支払うよ。調教師に10%厩務員に5%のご褒美を渡します
遠征費用は誰もち?・・香港や中東のような招待レースではありません。馬主さんの自腹です。
遠征費用の内訳
2.3千万手出し
こざこざ抜きでざっと見積もっても、これくらいは必要でしょう。
ケンタッキーダービー出走だけでなく、3冠全部やるとなると、滞在がのび国内輸送も必要なので、経費はもっと膨らみます。
2着以下は大赤字
遠征費用と、引かれもの後の賞金額を見くらべると、採算が取れるのは2着までです。日本調教馬は過去3頭、ケンタッキーダービーに挑みました。着順トップはマスターフェンサーの6着です。つまり、賞金にありついた馬はいません。
スピード負けせず、米国の馬と渡りあえるか? 2着になれそうか?
「2020年ケンタッキーダービーは4強+隠し玉」優勝候補の5頭ってどんな馬?
今年のケンタッキーダービーは、スーパー4の1頭が勝つと言われています。開催日が9月に延期され、稀代の素質馬が遅まき参戦を狙っています。日本馬の壁になる4強や、まもなく姿をあらわす注目馬をチェックして、秋の開催に備えましょう
JRAの協力金は出ないの?
出ません。協力金支給対象は、凱旋門賞だけです。出走すると500万円支給、帰国後、ジャパンカップか有馬記念を走ると、500万円が上積みされます。
地方競馬所属の馬はどうでしょうか。ケンタッキーダービーに出走すると、NARが最大500万円の補助をしてくれます。大助かりですが、これで全額はまかなえません。
2着は流石にハードルが高い!2・3千万ポンってお布施できる、でっかいロマンか、経済基盤か、頭の病気でもなきゃ、まず遠征する気分になれないよ
2020年は出走あり?
ケンタッキーダービーの延期で、日本のポイント獲得あらそいも追加先送りされました。マスターフェンサーの大健闘の影響もあって、今年もチャレンジしてくれそうです。走る国を間違えてると評される、強い馬もいますからね。決定したら追記します。
9月6日朝7時。グリーンチャンネルにへばりついて、遠征してくれた馬を応援できますように
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