ドアをロックしてたのに、愛車を盗まれた。
アナログ手法からハイテク機器を活用する方法まで、代表的なやり方を具体的に紹介します。ドアロックに対する過剰な信頼を捨て、脳のスイッチを切りかえる一助になれば幸いです。
ロック破りのアナログ手法
キーシリンダーを破壊
鍵を挿して開錠する車のドアは、鍵なしで開けられます。まずは、古典的で粗野なドア破りの方法です。悪党は金属の平棒やマイナスドライバーを手にして、あなたの車を目指します。鍵穴にフィットし強度があれば、どんな物でもかまいません。
用意したものを鍵穴に押しこみます。力をいれて左右にガチャガチャ揺らし続けると、そのうちロックがはずれます。最短所要時間は20秒。もちろんシリンダーは壊れますが、泥棒にはどうでも良いことですよね。
エアーインフレーターを活用
善良な市民の用途
善良な市民は、家具の下にラグを敷いたり、重い物をジャッキアップしたりするときに、エアーインフレーターを使います。空気圧で労せず隙間がつくれるので、作業がぐんと楽になります。「家具の下に耐震マットを置きたいけどどうしよう~?」という場面などで重宝します。
エアージャッキ ともいいます。密封されたシリコンケースに、小さなポンプがついています。
車泥棒の用途
悪党も、すき間の確保にエアーインフレーターを使います。車のドアのすき間に滑らせて膨らませると、すき間は拡大します。これで準備完了です。広がった空間に、太めの金属ワイヤーを通します。ワイヤーの先端は、鉤状に曲げられています。この鈎で、内側からドアロックを解除します。
マジックハンドのイメージでしょうか。シンプル過ぎる道具ですが、レバーを引っ掛けてポンっと引っ張るだけで、ドアは開きます。
ドアロックが引っこんだ位置にある車種は、難易度があがります。それでも、手なれた泥棒には、30秒の作業時間でじゅうぶんです。
愛車ごと盗まれなくても、車内の物は持ち去られる
予防策は
予防策は
- 人通りの多い場所に駐車する
- 監視カメラがある屋内パーキングがベスト
- 貴重品やノートパソコンなどは車内に残さない
これだけでもリスクを減らせます
ハイテク機器でアンロック
泥棒のターゲットはあなたの愛車
リレーアタックやコードグラバーなどの機器は、車そのものを盗む目的で使われます。新型のセキュリティデバイスは、平均半年で突破されます。愛車のガードは、物理ロックのほうがずっと安心です。
リレーアタックやコードグラバーなどの機器は、車そのものを盗む目的で使われます。新型のセキュリティデバイスは、平均半年で突破されます。愛車のガードは、物理ロックのほうがずっと安心です。
リレーアタックでドアを解錠
2019年1月、東大阪のレクサスLS500盗難未遂事件の映像です。日本で初めて、防犯カメラがリレーアタックの現場をとらえました。
昨年9月、スマートキーの特性を悪用し、車を盗む「リレーアタック」と呼ばれる手口が大阪府内で確認されました。盗もうとした男らの姿が防犯カメラに映っていました。(宮)オリジナル版は→https://t.co/c7iXi4E4iN pic.twitter.com/ZLbbLRnOKJ
— 毎日新聞映像グループ (@eizo_desk) January 24, 2019
映像は、レンジ拡張器で屋内のスマートキーの電波を増幅させてリレーする方法です。または、立ち寄り先のパーキングで、狙われた車のドライバーの後ろをつけて、拾った電波を解錠役へリレーするスタイルもあります。
でも、完璧ではないのが残念です。スマートキーの電波漏れは防げても、自動車側が出す信号は拾えるからです。
車からも信号が発信されていますよね。エンジンを停止して駐車中の車からも、シグナルは盗めます(ノ´Д`)
車の外で信号をゲットしたら、即興で解錠デバイスが作れます。所要時間は最短30分です。残念ですが、100%の予防策は存在しません。
車の外で信号をゲットしたら、即興で解錠デバイスが作れます。所要時間は最短30分です。残念ですが、100%の予防策は存在しません。
コードグラバーで解錠
コードグラバーを使われると、お手あげです。有効な防止策はありません。あなたのスマートキーが、完全に複製されてしまうからです。コードグラバーが使われた犯行は、国内ではまだ確認されていません。捕まっていないから公になっていないのか、上陸まえの静けさのどちらかだと思います。
コードグラバーについては、こちらに詳しくまとめています。用心しつつ物理ロックで対策してくださいね。
「コードグラバーとは何なの?」画像や映像をまじえて詳しく解説
コードグラバーが使われた可能性のある自動車盗難事件が、茨城県で発生しました。本当であれは、やっぱり上陸したかと憂鬱です。日本では知られていない、恐ろしいキットについて、詳しく紹介します。
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