【速報】
2020年1月15日付けで、サウジアラビアへ輸出される国際交流競走出走馬の家畜衛生条件が締結されました。輸入分は未発表なので突貫詰めしてるのでしょう。まずは安心。
高額賞金を掲げて爆誕したサウジカップ。世界のトップホースが、出走を表明しています。
威勢よく名乗りでた日本馬の前途をはばむ検疫の壁とは、何なのか?希望の光はないのか?
なぜ日本馬は出走できないのか、法文と擦り合わせてシラミ潰しにしていきます。超グッドニュースもあるよ!
豚コレラ感染が拡大し13万頭が殺処分に。農水省が、周辺農場の予防的殺処分を可能にする法改正に着手
香港ミーティングは日本馬の圧勝劇。華麗すぎる大活躍!
光と影のようなニュースの上には、家畜伝染病予防法という法律が鎮座しています。香港ミーティングは日本馬の圧勝劇。華麗すぎる大活躍!
競走馬もまた、日本の畜産業界を壊滅させる伝染病を媒介する種であります。
海外遠征にともなう出入国は、この家畜伝染病予防法をトップに、施行令、施行規則で厳しく規定されています。
正しい海外遠征
たいていの日本馬は、リンク先の施行規則にそって海外遠征を行います。
リスト国から日本向けに輸出される 国際交流競走馬の家畜衛生条件
- 出国後60日以内に帰国する
- リスト国にしか行かない(カナダ、フランス、ドイツ、香港(含む従化トレセン)、アイルランド、イタリア、カタール、シンガポール、アラブ首長国連邦、英国、韓国、米国)
リスト国とは、日本と検疫協定が結ばれている国です。リスト国だけに滞在し、60日以内に帰国すれば
輸入検疫:5日間、その後の着地検査:3週間で日常に戻れます。
輸入検疫:5日間、その後の着地検査:3週間で日常に戻れます。
遠征期間が60日を超えたり、リスト国以外に滞在したりすると、着地検査は3ヶ月(90日)に延びてしまいます。
オーストラリアへ遠征し、戦いを続けるスズカデヴィアスも60日が過ぎてしまいました。コアラの国でキャリアをまっとうし帰国するのでしょう。
香港ミーティング後、ふたたび英国へ旅だったディアドラは、ラニやスズカデヴィアスと少し事情が異なってくるかもしれません。
サウジカップに参戦すれば、リスト国ではない国に滞在することになります。未踏のゾーンに突入です。
サウジアラビアに滞在したら日本に帰れなくなるの?
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家畜伝染病予防法ではセーフ
この法が絶対に駄目と宣告している、輸入禁止地域と物があります。ひやっとしましたが馬はセーフです。
そのため、サウジから偶蹄類の動物・豚いのしし・あひるなどの家禽類を日本に持ち込むことはできません。
偶蹄類やばっ!と思いましたが、馬の蹄は奇数なので奇蹄目、輸入禁止物の対象外でした。
ビューティージェネレーションが安田記念をキャンセルした理由に、飼葉を調達できない問題がありました。当時はJRAバカって思ったけど、この法が香港から飼料用の乾草輸入を禁じてました。ごめんね~
日本とサウジ間に家畜衛生条件の取り決めがない
これが痛い問題です馬の輸出入にあたり、政府機関が発行した検査証明書が必要です。
- 出国時:動物検疫所が行う検査にパスし、検査証明書をもらう
- 帰国時:輸出国の政府機関行う検査にパスし、検査証明書をもらう
証明の記載内容は、家畜衛生条件として2国間で決められます。困ったことに、日本とサウジアラビアには家畜衛生条件の取り決めがありません。
逃げ道がないわけじゃない
家畜衛生条件が締結されていない場合は、輸出のさい相手国が定める入国条件に従う、と施行規則にあります。行きはよいよい。日本帰国時は、検査証明書がないと輸入してはならないと明記されています。マジでしょうか?マジですが、例外規定は存在します。
検査証明書なしで入国できるのは
信託統治地域に滞在し、当該エリアに政府機関がない
天災等のため政府機関の機能が失われている
信託統治地域に滞在し、当該エリアに政府機関がない
天災等のため政府機関の機能が失われている
検査証明くらい出すでしょ
ワールドクラスのトップホースを集め、鳴り物入りで開催される国際競走です。そもそも出国検疫して検査証明くらい出すでしょ。検査証の内容なんてどこも似たりよったりだし、国際基準に準拠する内容を書いてもらえば済むようにも思います。ただ確実に出してもらえるか、帰国時に通用するか、不確実なところが不安を呼びますね。
二国間協定がないのは、はなはだ不便です。家畜衛生条件の締結は、農水省消費・安全局動物衛生課が行っています。法改正が不要の令・規則制定なので動きだせば時間はかかりません。
Big News!協定のとりまとめは現在進行中。まもなく纏まると報道が出たよ!
日本馬はサウジアラビアに入国できるのか?
リンク先は、サウジアラビア王国の検疫規定ページです。1.4.2 AGRICULTURAL QUARANTINE REQUIREMENTS
日本からの馬の入国は禁止されてはいません。Ctrl+Fキーを同時押しして、Horseと入力してみましょう。馬の条項がみつかります。
さらにスクロールすると、入国禁止家畜の一覧表があります。馬はEQUINEです。
笑えるのは、英国とフランス、アイルランドからの馬の輸入が、禁止されていることです。
えっ?主催者のサウジアラビアジョッキークラブが、フォートナムメイスン借りきって英国馬の誘致レセプションやってたよね。どうなってんの?意味分かんない。
希望の光が射す
エントリーは無料なので、関心がある関係者はとりあえず登録で良いと思います。サウジカップ公式は、日本の問い合わせ窓口を用意しています。いっぽうサウジジャパン2030ビジョンという国家間のプロジェクトも進行中です。
ここには経産省をはじめ、農水省もからんでおり、リヤドには専門職員をおいたオフィスもあります。つか、JETROの人ですけど。
日本の問合わせ窓口
サウジカップの日本の窓口は、世界のゴーダさんです。公式サイトに連絡先が記載されています。日本馬も来いよってスタンスですよね。サウジカップ公式・日本の窓口は合田直弘氏
はやばやと諦めるなかれ。駄目もとでエントリーしておいたら、いい風が吹いてくるかもしれませんよ
素晴らしいニュースが出ましたね。日本・サウジアラビアの検疫協定締結が詰めの段階にはいっているとのこと。農水省消費・安全局動物衛生課さん、ありがとうございます。Great Job!
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