3月26日、EUの著作権指令改正案が欧州議会で可決されました。EUサイトにリンクを貼るさい、YoutubeやTwitterに動画や画像をアップするさい、ブロガーや個人のサイト管理者が注意すべき内容を追記します。
この改正を舐めていると、恐ろしいめにあいますよ
Copyright: Parliament just voted in favour of the proposed directive on copyright rules for the digital market. Press release to be published soon. pic.twitter.com/NDUvzrTIiJ
— European Parliament (@Europarl_EN) 2019年3月26日
議会を通過してしまったので、加盟28カ国は国内法の整備に着手します。2年後までに、指令にそった細かい規定を定めなくてはなりません。
欧州議会-新しい著作権に関するニュース-の内容に照らしながら、変更点をみていきます。
11条リンク税
Hyperlinks to news articles, accompanied by “individual words or very short extracts”, can be shared freelyニュース記事のリンク貼るときは、単語数個か超みじかい抜粋なら無料と書かれています。
たとえば、今秋アーモンドアイが凱旋門賞で勝った報道記事のリンクを貼るとします。こんなハイパーリンクを貼ったら
AlmondEye won Prix de l’Arc de Triomphe at Longchamp news
周りにどんな抜粋文を配置するかが、有料と無料を分ける鍵になります。
無料 「アーモンドアイ凱旋門賞勝った」
要ライセンス料「ゴール前でへたれたエネイブルと、口ほどにもなかったシーオブグラスを軽がる抜いて、アーモンドアイが一着でゴール、凱旋門賞に輝いた。トップスピード90kmという脅威の速さで、史上初、日本馬が世界の女王に!」
要ライセンス料「ゴール前でへたれたエネイブルと、口ほどにもなかったシーオブグラスを軽がる抜いて、アーモンドアイが一着でゴール、凱旋門賞に輝いた。トップスピード90kmという脅威の速さで、史上初、日本馬が世界の女王に!」
1記事あたりのライセンス料の設定が、いくらになるかを発表している報道機関はありません。こちとら500円までしか払わないぞ、こんちくしょう!因みにわたしの記事へのハイパーリンクは、未来永劫0円です。どんどんやって(除くエロサイト、犯罪サイト)
Journalists must get a share of any copyright-related revenue obtained by their news publisher
ジャーナリストは、パブリッシャーから著作権収入を得なければならないべきではなくて、マストです。お金とらずに長文の抜粋表示させて、自分の記事にPV誘導はNGっていうことなんでしょうね。抜けがけ禁止条項に見えます。
今回の発表だけ読むと、オンライン報道の記事リンクだけじゃんと勘違いしそうです。が、著作権指令全文を読むと、それは違うとわかります。すべての作品やワークが著作権の対象ですから。
例外もあります。Wikiや GitHub、学術論文、教育関連などのごく一部には、無料の引用が適用されます。けれども、あなたのサイトやブログは、ここに含まれません。
13条アップロードフィルター
Youtubeやツイッター、Facebook、インスタなどへのアップロードは、慎重に行ってください。あなたが著作権に違反する作品をあげれば、プラットフォームも損害賠償金を課せられることになりました。Internet platforms are liable for content that users upload。Start-up platforms subject to lighter obligations。Some uploaded material, such as memes or GIFs, now specifically excluded from directive
あなたが問題をおこすと、もちろんあなたも請求の対象です。変更点は、プラットフォームもあなたの尻ぬぐいにお金を払わせられることです。あなたの作品は削除され、めでたく垢バンです。
プラットフォームには毎秒毎分、数えきれないほどのユーザー投稿がアップされています。コピーライト違反を振り分ける技術もなければ、目視でチェックするような人手もありません。
アップ時にフィルタリングして、足切りが行われることになります。あなたは、画像、音声、テキストの全てに敏感になって、引っかからないように注意しないといけなくなります。インターネットがつまらなくなりそうですが、背に腹は変えられません。
日本はEUではありませんが、プラットフォームの仕様変更はグローバル単位です。検索エンジンのアップデートで商売の浮き沈みを経験したひとは、身をもって知っているはずです。
日本はEUじゃないから目こぼしではなく、日本でも厳格化はまぬがれません。
2019.03.28 へんてこでそーな追記。
EU圏のウェブサイトにリンクしたら、請求が発生するのか?
「欧州サッカー情報」や「ヨーロッパお洒落通信」みたいなサイトの主は、無関係ではいられません。どんなウェブサイトの運用者であれ、EU圏のサイトのハイパーリンクを貼ろうとしているあなた。その行為は無料だと断言できますか?
迷えるブロガーやサイト管理者の、迷いをはらう情報をまとめました。
アーモンドアイをこよなく愛する当ブログは、彼女の宿敵エネイブルに関するニュースに発リンクしたり、Youtubeのレース動画や関連Twitterを埋めこんだりしています。
ある日突然、請求書がとどいたらどうしよう?恐怖を感じ、リンク税についていろいろ調べてみたので、参考になれば幸いです。
また専門家の情報収集にも役立つよう、信頼できる情報の収集元も紹介します。
リンク税とは何か
リンク税とは、EUの著作権指令の改正案を指す言葉です。2019年2月現在、EUの立法手続きにもどづき、欧州委員会、欧州議会、理事会の三者協議が進行中です。トリローグと呼ばれるこの協議は、2月11日が終了日です。
予定どおり進行すれば、この日に法案が完成し、3月末か4月のはじめに欧州議会に提出されます。トリローグは、法案を可決させるための詰めのプロセスです。欧州議会の採決で、否決されることはまずないでしょう。
今回の改正でとくに問題視されているのが、Article11とArticle13bの条項です。
Article11と13に関する詳細原文
Article.11リンク税
11条の改正案こそが、呼称リンク税の生みの親です。リンク設定するだけでお金とるのかよ?と世間を震撼させていますが、発リンクすると、本当にライセンス料を要求されるのでしょうか。リンク税導入の目的
欧州議会のFAQによれは、Link Taxは税金ではありません。オンラインニュースのポータルサイトが得る莫大な利益を、コンテンツを作ったジャーナリストへ分配するシステムです。European ParliamentのFAQに、主旨が明記されています。
ターゲットは、一般ユーザーではない。YouTube、Google News or Facebook、pintarestなど、大手のプラットフォームや報道ニュースを集めたポータルサイトに、発信者であるアーティストやジャーナリストへ正当な報酬の支払いを義務化するものだ。
ターゲットは、一般ユーザーではない。YouTube、Google News or Facebook、pintarestなど、大手のプラットフォームや報道ニュースを集めたポータルサイトに、発信者であるアーティストやジャーナリストへ正当な報酬の支払いを義務化するものだ。
- ニュース記事のヘッドライン・抜粋文・画像表示は発信者の許可要
- ニュース記事の分析やモニタリング、情報の正確性など記事ネタにする場合も有償
- EU圏のパブリッシャーの収入保護が目的
- スニペットを使いコンテンツにタダ乗りする Google、フェイスブック、Twitter、Pinterestなどがターゲット
Googleの対抗策
真剣なのかネタなのかは不明ですが、EU圏で最新ニュースを検索したら、こんな結果になるけどいい?これは・・もうミステリー検索ですね(笑出典:Search Engine Land-Greg Sterling-
報道機関のサイトへの検索流入がごっそり減り、スペインやドイツの経験と同様、権利放棄で終わりそうな未来が見えます。
個人もライセンス料はらうの?
ターゲットは、検索エンジンやGoogleNewsのようなサイトであることは確かです。けれども、草案には気になる記載があります。これはちょっと心配です。改正案が通って法施行となれば、記事の削除を検討しなくてはいけないかも。
ライセンス料請求詐欺の発生は必至
報道機関が個人のサイトに請求行動をおこすかというと、疑問です。しかし、リンク税請求詐欺は絶対に現れることでしょう。個人サイトを巡回してEUニュースへのリンクとコメントを見つけたら、請求メールを送りつける。
著作権侵害はアドセンスの垢BANだけでなく、申し立てが認められれば、サイトが検索エンジンのINDEXから削除されるNG行為です。copyrightがなんちゃらと英語で書かれた恐ろしいメールを見ただけで、飛びあがって振り込むひとも出てきそう。
Article13.著作権侵害の監視義務化
ユーザーが大量に投稿をアップする大型のプラットフォームは、全てのコンテンツの監視を義務づけられる。著作権を侵害するコンテンツがあると、プラットフォ-ムが法的な責任を問われる。
指摘される問題点
たとえば、YouTubeが違法なコンテンツを見落とせば、訴訟をおこされることを意味します。 YouTubeには毎分に400時間分の動画がアップされます。著作権のデータベースと投稿された動画を自動的に照らし合わせ、フィルタリングできるような技術は、まだこの世に存在しません。指摘される問題点
- 表現の自由をおびやかす
- 検閲フィルター
- ミームをつぶす
- 新規参入の障害
アーティストのカバー曲の動画をアップするユーザーや、政治家や映画のパロディを投稿するユーザーもいます。13条bが盛り込まれれば、フィルタリングで著作権違反とされ、門前払いをくらいます。※追記 これらは著作権侵害にあたらないとし、欧州議会が否決しました。
プラットフォームの著作権に対する姿勢強化
違法な投稿を放置すれば、プラットフォームも責任を問われます。ツイッターやFB、Googleの著作権に対する姿勢は、より厳しくなりそうです。ミーム
いわゆるミームは禁止されません。元コンテンツを利用したGIF、アーティストの曲を歌う動画のアップは、著作権侵害にはあたらないと、欧州議会は否決しました。映画のワンシーンを集めたミックス動画や、楽曲の一部を切りとってランキングに編集したスーパーカットなども、規制の対象外です。
法改正で想定される影響
- プラットフォームの著作権に対する姿勢がより厳格に
- 個人サイトもコンテンツフィー請求対象
- 詐欺請求
Digital Copyright Directiveリンク集
▶Copyright DirectiveEU著作権指令全文
▶Copyright law of the European UnionウィキペディアEUの著作権法
▶EU Coryright ReformEU著作権改正 グラスゴー大学CREATe
▶JULIA REDA EU copyright reform/expansionジュリア・レダ議員EU copyright reform/expansion
コメント
『ミームやパロディ、単なるハイパーリンク等は規制の対象外』は安心したけど、規制するならやっぱり海賊版頒布者だけピンポイントに取り締まってほしい。
最近のDL違法化対象を広げようとする法案みたいに。
しかも、今回(2019年3月27日現在)の投票でも、案の定賛成多数だったけど、GIGAZINによると誰かが操作かもしれないとかなんとか。本当に操作していないことを祈る。
こんばんは~
裏にいる人だれなんですかね~ITジャイアンどもを解体せよって叫んでるマードックさん以下
紙・電波メディア勢もなのかな・・
個人は狙ってないといいつつ、11条でも13条でも罪なき個人が大きな影響受けるわけだし
世知辛くて、困ってしまいますね。
>最近のDL違法化対象を広げようとする法案
こんなのもあるんですね。進展したら、どんな風に厳しくなるのか教えてほしいです。
ご返信ありがとうございます。
ダウンロード違法化については、映像や音声だけでなく、画像や文章など、あらゆる種類の著作物を違法ダウンロード規制の対象にしたいと、文化庁は発表していました。
ただ、法案では、「違法だと確定的に知り」「常習的にダウンロードした場合」が刑事罰の対象となり、違法アップロードされた著作物を「閲覧する」のは規制しないそうです。
しかも、現時点の状況では、次の国会に見送りになりました。理由は、いったん国会に法案が提出されたものの、自民党内で議論が激しかったからです。
このまま、法案が全廃になることを祈るばかりです。
こちらに署名サービスがございます。
https://www.change.org/p/european-parliament-stop-the-censorship-machinery-save-the-internet
もしよろしければ、署名されてみてはいかがでしょうか。
こちらもありがとうございます。チェンジオルグ見てきました。
J.REDAさんが、500万人の署名無視って突っ込んでたのは
これだったのですね。
わたしも名前書いてきます☆
また何かありましたら、教えていただけると嬉しいです。
ダウンロード違法化の詳細情報、ありがとうございます!
内容がわかり、無知から少し賢くなれました。
>映像や音声だけでなく、画像や文章など、あらゆる種類の著作物を
違法ダウンロード規制の対象にしたい
狂気を感じる規制ですね。見送りになったそうで
ほっとしました。
確信犯が対象で、閲覧者側は処罰されないのは
大人の良識を感じますが、それでもこんな規制は
やめてもらいたいです。全廃大賛成です。
ユーチューブも垢BAN祭りが始まったようで
偉いことをしてくれましたよね。ため息です。
お久しぶりです。
去年コメントをお書きした螺王です。
私がお書きしたコメントを編集したり削除したりすることはできないでしょうか。
以前にお書きした箇所で、修正したいところがございます。
1年近くぶりのご返信で申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願い致します。
こんばんは、お久しぶりです。
螺王さんのコメントを管理人が修正したりはできないので、
ご自身で修正や削除が不可のさいは、コピペと修正などで新規に
作成していただくのは可能ですか?
ご指示があれば、コメントの削除はわたしの方でも可能です。
ご希望どおりにしますので、お申しつけください。
※編集テスト
早速のご返答ありがとうございます。
>>ご自身で修正や削除が不可のさいは、コピペと修正などで新規に
作成
>>ご指示があれば、コメントの削除はわたしの方でも可能
それでは、1番目(「なんかこう、」から始まる)と3番目(「ご返信ありがとうございます。」から始まる)のコメントを修正したいので、恐れ入りますが一旦の削除をしていただくことはできますでしょうか。
ただ、アクセスしに来る方々がいらっしゃる事もあり、コメントのやり取りの流れを保たせていただきたいです。そのため、1番目と3番目のコメントを削除した後に、再び同じ順番のところにコメントを書き直すということは可能でしょうか。
あるいは、一旦すべてのコメントを削除し、修正した1番目のコメント→当時いただいたご返信→修正した3番目のコメント→当時いただいたご返信→・・・・・という流れとする事も可能でしょうか。
おはようございます。
日付を変えず修正できそうです。
例えば、螺王さんの下記のコメントの投稿日時の横の(編集)を
クリックしていただくと、編集画面が出てきます。
そこで修正されても、日付は変わらないようです。
自分のコメントで試したところ継続されました。
もしも編集機能にアクセス出来ない場合は、▶問い合せフォームで
修正済みのコメントを送ってくだされば、わたしが代行します。
いかがでしょうか?
————————————–
螺王 より:
2019年3月27日 10:38 PM (編集)
ありがとうございます。
それでは編集テストをさせて頂きます。
螺王 より:
2019年3月27日 10:38 PM (編集)
テスト
修正テスト
大変失礼致しました。上記コメントの「テスト」は間違いでの投稿でした。
ご提示いただいた最初のコメントの日付の隣にある(編集)を探してみましたが、そもそも(編集)自体が表示されていませんでした。
また、日付の青いリンクをクリックしても、そのコメントに移動するだけで、編集画面は出ませんでした。
もし何か、特段の操作方法がございましたら教えてください。
>ご提示いただいた最初のコメントの日付の隣にある(編集)を
探してみましたが、そもそも(編集)自体が表示されていませんでした。
それは申し訳ありませんでした。管理者にのみ表示されてるんですね。
螺王さんのテスト投稿をお借りして、修正分のテキストをお預かりし
私が代行でポストしても名前が変更されないか試行してみます。
解決しました。
螺王さんのテスト投稿に管理者の編集権限で可能か
「修正テスト」の文字を追記修正してみました。
そうすると下記のようになりました。
投稿者名を変えず修正できました。
問い合わせフォームからテキストを送信いただければ
いつでも代行して訂正します。
お好きなときにお願いします。
編集は投稿者さんには表示されないんですね(汗
お手数かけて申し訳ありませんでした。
———————————–
螺王 より:
2020年3月5日 11:12 PM (編集)
螺王 より:
2019年3月27日 10:38 PM (編集)
テスト
修正テスト
———————————–
返信が遅くなり申し訳ありません。先週末はPCが使えない状態でした。
投稿者には編集機能を使うことができないとのこと、承知しました。
それでは、お問い合わせフォームから修正テキストをお送りします。
おまたせしました。
リクエスト頂いた代行修正が完了しました。
ご希望どおりになっていない箇所があれば
ご指摘お願いします。
日本でも、違法ダウンロード規制の拡大が
閣議決定されましたね。リーチサイト潰しが
狙いのようですね。
修正頂きありがとうございます。
ただですが、1番目のコメントで、「『ミームやパロディ・・・」から「・・・取り締まってほしい。」までの部分と、
「しかも、今回(2019年3月27日現在)の投票でも、・・・」から「・・・本当に操作していないことを祈る」までの部分が、カッコがついていたままでした。
3番目のコメントに関しては問題ありませんでした。
ご指摘ありがとございます。
ということは、下記の例のように「」部分を外すという
理解でよいですか?
——————————————————————–
※例
「『ミームやパロディ、単なるハイパーリンク等は規制の対象外』は安心したけど、規制するならやっぱり海賊版頒布者だけピンポイントに取り締まってほしい。」
↓
『ミームやパロディ、単なるハイパーリンク等は規制の対象外』は安心したけど、規制するならやっぱり海賊版頒布者だけピンポイントに取り締まってほしい
———————————————————————
ご返信ありがとうございます。
「」の部分を外すというお考えで問題ありません。
ただ、ご提示いただいた例の最後の「取り締まってほしい」の直後で、「。」がありませんでしたので、句読点までは消さないでいただければと思います。
色々と細かいことを申し上げてしまいましたが、よろしくお願いいたします。
「」を外し、。句点は残しました。パーフェクトだと思いますが
間違っていたら、再度ご指摘おねがいします。
お世話になります。
ご修正内容については問題ありませんでした。
度々お手数をお掛けしたにもかかわらず、ご対応いただきありがとうございました。
また、ダウンロード違法化の動向についても、ご丁寧に教えていただきありがとうございました。
可決してしまったのは正直なところ残念ですが、Wikipediaでも調べてみようと思います。