「凱旋門賞」クロノジェネシスが7着に破れた敗因

2021凱旋門賞

日本の総大将、クロノジェネシスは7着に終わりました。

父は凱旋門賞馬、道悪をものともせず、ミシュリフと互角に戦えるスピードがあり、最高にタフでクールな女王がまさかの7着・・クロノジェネシスは、なぜ7着に終わったのか?
このレース、前の馬は総くずれ、圧倒的に追い込み優位でした。クロノジェネシスは前にいました。
SNSスズメの1羽として、思うところをまとめました。

前つぶれ追い込み優位

クロノジェネシスは2番手

ゴール前、クロノジェネシスはあんなに垂れてたのに、位置もへちまも無いと思うあなたは、直線向くとき各馬がどこにいたか次で確認ください

直線コーナー通過順位

先団グループと着順

直線入口ちょい手前、残り600の各馬位置と着順

①アダイヤー →④着
②クロノジェネシス →⑦着
③ブルーム →⑪着
④アレンカー →⑧着
⑤モジョスター →⑨着
前にいた馬は全頭潰れました
クロノジェネシスは経験したことのない58キロを背負って、良くやったと思います。残り200までの2ハロンは12秒台で、上位組と遜色ない走りでした。
最後の区間が13.36秒で、1秒ちかく遅れました。道悪好きのアレンカーなんかも56.5キロで8着ですからね。

掲示板に載った馬の直線コーナー位置

同じ地点で掲示板組はどこにいたか?

優勝トルカータータッソ →⑥
2着タルナワ →⑨
3着ハリケーンレーン →⑦
4着アダイヤー →①
5着シーリィウェイ →⑪

優勝馬は別動物並のちょー異色なんで、スミヨンの発言をあとで紹介します。
掲示板に載った馬は、アダイヤー以外はみな後で直線に入りました。
偽りの直線手前、残り1000メートル地点の、勝馬とクロノジェネシスのタイム差は約0.5秒です。良馬場換算で3馬身程度、道悪だったので差はもっとあったかも。カメラワークが前からなので正確にはわかりません。
2着入線のタルナワは0.7秒後ろで、4馬身ほど後にいたと思われます。先行したクロノジェネシスは、この時点で上位の馬より脚を使っています。

凱旋門賞は圧倒的に後優位

リンク先の動画で現地の名ジョッキー達が騎乗のコツを語っています。日本目線だと笑っちゃうドスローですが、控える競馬こそが、100年の歴史が教える論理的な乗り方なのでしょう。

ロンシャン競馬場・凱旋門賞コースの形状・高低差・騎手の戦略
凱旋門賞の過酷な2400メートルのコース高低差を視覚化しました。日本馬が挑む高い坂とはどんなものか?短め距離を走る帯同馬を連れていくのは、良いアイデアかも。マイル以下のコースに登坂はありません。高低差をお見せします。全部下りだから(笑

マーフィー騎手の戦略

横ポツン

外枠のクロノジェネシスは、ゲートを出るや横ポツンで追走。2015年凱旋門賞・ゴールデンホーンのデットーリ騎手からヒントを得たと発言していました。
ゴールデンホーンは登坂の入口あたりで合流し、2番手につけるとそのまま直線まで追走し、残り400あたりでスパートして勝ちました。
ま、数値3ちょいの良馬場で、ゴールデンホーンの斤量は56キロでした。

マーフィー騎手を非難しない

レース前日のインタビューでは、ためて直線で末脚を炸裂させる戦略で陣営と合意したような発言をしてました。オープンストレッチが開くし、中団より前につけたい気持ちはあったかも。わかります。
序盤からクロノジェネシスを促した様子はありません。クロノが走りやすいペースで行ったら、やっぱ日本馬は速いから前にでちゃうのかも。
ラヴズオンリーユーとシーマクラシック走ったとき、矢作先生がインタビューで「3コーナーまで全然流れなかったのが痛かった」と発言されていました。
日欧両方の競馬を知るマーフィー騎手は、無理に抑えなかったのかな?と思います。このへんは妄想なので、真相解明はジャーナリストの方にお願いしたいです。

クロノジェネシスが後ろに待機していたら

3着内ありでは?

※ペースは前半1400メートル通過タイム

クロノとペース比較10F11Fゴール前12F上がり
クロノジェネシス1:34.2212.3412.2613.3637.97
トルカータータッソ0.52秒後12.2812.0412.4436.77
タルナワ0.64後12.4111.7612.4636.64
ハリケーンレーン0.60後12.3911.8712.5336.80
アダイヤー0.28秒前12.3212.3513.3238.00
シーリィウェイ1.11秒後12.1412.0713.0137.23
道悪のペースとしては速くもなく妥当な流れでした。ただし前めにいた分、最後にツケが来たと思います。控えていたら、タラレバ、クロノジェネシスも36秒台で上がれたかも。少なくとも、超ゆっくり回ってきて直線だけ走った5着馬には勝ってる。

スミヨン騎手のレース後インタビュー

タルナワについて


ノン!悔しくなんかない。素晴らしいレースだった。今年3戦目で前走良馬場、5歳のタルナワにとって、馬場が粘りすぎた。なんら恥じることはない。もう少し馬場が良ければ勝ってただろう。シーズンを締めくくる外国のレースで勝つよう願ってる

優勝馬を称えるコメント

トルカータータッソはずっと、俺より前で3列目より外を走ってた。ファルスで奴を見ながらça allait être un chocolat(こいつ嵌められて負けるな)って心のなかでつぶやいたよ
俺は残り300で抜け出して先頭にたった。左を見ると奴がいたんだ。「ありえん!こいつ何処から来たんだ?」勝馬は直線でもずっと前にいた。鼻差で負けたんじゃない、3/4馬身差だぞ。素晴らしいレースだった
初めてロンシャンで騎乗し、地元の名手に嵌められたと言われるようなコースどりで勝ちきった優勝馬は、来年アーク連覇をめざしています。
道悪だったら買わなくては(笑
馬場が良ければ、タフでパワーのある馬なら前につけても良いかも。道悪はぜったい控えたほうが良さそう。クロノジェネシスだって最後に脚があがるんだもん




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