よし!ドアは開いた。だが車ごと盗むのは難しい
ハイブリッド車の駆動用バッテリーなんて、6桁ですからね。でも外して持ち去るのは、ほぼ不可能。
とすれば、素早く盗めてリターンが見こめる、そんな部品に手が伸びます。
最初から、部品一辺倒の堅実派もいます。転売しても足がつきにくく、車両まるごと売り飛ばすルートがなくても販路に困りません。買取もあれば、メルカリやヤフオクも活用できます。
泥棒に愛されるレクサスとプリウスはもちろん、高級車系のオーナーは知っておくとよい話です。
ふと目にしたツイッターで、謎が解けました。予想だにしなかった、部品盗難の話です。
あのときのレクサスは壊れたんじゃなくて、盗られたのか!
レクサスから大きな異音
エンジン始動でバスンバスン
仕事でかかわった金満さんが、プンプン怒ってディーラーを呼びつけた話をしています。いつもと同じ朝に、いつもと同じようにエンジンをかけたら、自慢のレクサスが突然うなりだしたというのです。
「バスンバスン轟くひどい音で、すぐに電話した」
ざまあとは思いませんでしたが、数年しかたってない筈なのに、レクサスでも壊れるんだなと思ったのを覚えています。その後を知る機会は、めぐって来ませんでした。
原因は部品泥棒
ふと目にしたツイッターが、あの日の記憶を蘇らせます。今日お客さんから聞いた話。
レクサス、プリウスの車の下部分にあるパーツ(どこかはわからない)に純正プラチナが含まれているらしく、その車を狙ったパーツ盗難がその方を含め4人やられたそう。
最新型のはパーツが取れにくいようになっているが、最新のではないものは比較的簡単に盗られるそう。
続く— プリヒル姉さん (@Puriketsunesan) December 12, 2019
男性のあなたなら、ピンときたのではないでしょうか。
純度の高いプラチナが使われているのは、混合気に火をつけるスパークプラグの電極です
レクサスの点火プラグはプラチナ
高いが超長持ち
画像はNGK のプラチナスパークプラグです。レクサスのパーツはデンソー製ですが、画像が見つからなかったので借用しました。
一番下にある鈎状の突起物が、外側電極です。プラチナが使われるのはこの部分。
大衆車には、プラチナやイリジウムではなくニッケル合金の一般の点火プラグがついています。
グレードの高い車が狙われるのはこのためです。
エンジンスタートからドライブの終了まで、スパークプラグは1秒間に何十回も点火を繰り返しています。ガソリンと空気が混じった気体にひたすら火をつけるのが、この部品の仕事です。
動くたんびに酷使されて、10万キロに1度の交換ですむのですから、プラチナ合金の耐久性は素晴らしいとしか言いようがありません。
スパークプラグ全体でプラチナが使われるのは、電極の部分だけです。が、たったの1グラムで3800円もする貴金属なので、目をつけられてしまったのでしょう。
イリジウムも高価なレアメタル
プラチナに対して、イリジウム製のスパークプラグも耐久性に優れています。白金の方が高価な印象ですが、イリジウムの買取価格もべらぼうです。大量に盗んで貴金属として売るのか、部品のまま売りさばくのかは不明です。いずれにせよ、あなたの知らないところで思わぬ部品が狙われています。
車外からボンネットは開けられないの?
一般に、ボンネットを開けたらスパークプラグは丸見えです。ラチェットとソケットレンチで簡単にはずれる無防備な部品です。しかも、車外からボンネットは開かないというのは神話です。
金満さんのレクサスなら、3パターンのどれかの方法で開けられるよ!
ご用心!ボンネットを開けるのは難しくない
- エアージャッキで窓にスキマを作り、鈎状の金属ワイヤーでレバーを操作
- フロントグリルのとある部分を外してナットを攻略しロック解除
- 車体の下に潜ってロックをはずす
部品泥棒からどのように車を守る?
最新型のレクサスは、点火プラグを盗まれにくくする工夫がなされています。ボンネットを開けたら、点火プラグが丸見えの旧車種は危険です。そんな物が盗まれるとは思わないので、セキュリティーグッズはありません。スパークプラグを覆い隠すカバーは売られています。用途は埃よけなので、泥棒が外す手間がちょこっと増えるだけです。
こればっかりは、タイヤロックもハンドルロックも無意味ですね。その場ですぐ盗めますから。
一番良いのは、スパークプラグを外しておくことですが、バカらしくて現実的ではありません。
犯行の時間は、真夜中から朝方です。枕元のスマホに、危機を知らせてくれる。そういう対策しかないのではないかと思いました。
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