かわいいアーモンドアイを伝説の最強牝馬に変えたジャパンカップ

アーモンドアイ

アーモンドアイがジャパンカップ勝利

勝ち時計2分20秒6は世界記録

アーモンドアイが1着でゴールに飛びこんだ時、電光掲示板に2:20:06が表示されました。数字の上にレコードの文字がのっかてます。
はっ?実況アナウンサー、競馬場の観戦者、テレビの前で勝利の行方を凝視していたすべての人が、ボーゼンとして声を失っています。ロンジンが壊れたとつぶやく人もいました。
ジャパンカップの勝ち時計は、たいてい2分23秒とか24秒台で出てきます。2005年イギリスの招待馬アルカセットが叩いた2:22.1がこれまでの最速レコードです。
2分20秒台なんてありえません。2400mの芝コースの世界記録は、2分21秒98。20秒台で帰ってきたのは、世界広しといえどアーモンドアイだけなのです。
彼女はジャパンカップを制しただけでなく、ワールドレコードを塗りかえてしまいました。これには海外メディアも吃驚で、アーモンドアイのニュースは光速で地球をかけめぐりました。本当に伝説になってしまいましたね。




冷っとさせるレース展開

最後の直線で猛追するのがアーモンドアイの勝利パターンですが、ジャパンカップは違う展開になりました。最初から先頭集団に陣どって、ゴール手前で先頭馬を差したこれまでにないパターンです。こんなレースもできるんですね。
スタートは、気を揉ませる1枠1番ゲートから。ラッキーゲートでも、アーモンドアイには不安がのこる最内です。強豪の古馬たちに囲まれて、抜け出せなくなったらヤバイという心配をよそに、彼女はキャピキャピ跳ぶように、走り出しました。
「そんなに前に出ていいの?」「体力もつの?」アーモンドアイは、前へ前へとでていきます。ルメール騎手が勝利インタビューで語ったところでは、ジョッキーが企てた先行作戦ではなく、自発的に逃げ馬のキセキを追いはじめたようです。
キセキを一番手に、先頭集団に混ざって走るアーモンドアイ。キセキの後ろにピッタリ貼りついたのは、第3コーナーあたりでした。
あれ?おかしい。最後のコーナーを回っても、アーモンドアイはまだスパートをかけません。ちょっとヤキモキします。坂を越えたラスト200メートルあたりで、ルメールがピシャリと鞭をふるいました。ここから自慢の末脚が炸裂し、一気にキセキをとらえると、そのまま1馬身3/4引き離してゴールイン。
キセキがへたれて勢いを失ったのとは対象的に、アーモンドアイは息もあがらず、ゴール後もシレっとした様子でした。




2019年、アーモンドアイ世界へ

この馬は化け物。一夜あけた新聞各紙には、「怪物」「化け物」の文字がおどっています。いつの時代にも強い馬はいますが、これほど心を揺さぶる魅力的なサラブレッドがいるでしょうか?
「この馬なら、ロンシャンで勝てるかもしれない」悲願の凱旋門賞で優勝する夢を叶えてくれるのは、彼女ではないかと本気で思わせてくれました。
2019年、アーモンドアイの舞台は世界です。ドバイとロンシャンのエントリーはほぼ決定事項。国民は総力をあげて応援しないとね。アーモンドアイ感動をありがとう、気分がスカっとする素晴らしいレースでした。




「アーモンドアイ」ドバイ・シーマクラシックとターフのオッズ情報
世界記録をたたきだし、一夜にしてワールドクラスの牝馬に列せられたアーモンドアイの世界デビューは、3月のドバイWCです。ドバイターフ出走の公式発表をうけ、英国のブックメーカーもオッズを修正しました。アーモンドアイの新オッズと、シーマクラシックを走るレイデオロのオッズも紹介します。

 

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