メイクデビュー東京1600メートルは、特別な新馬戦でした。
アブソルティスモとサリオスという、将来のG1馬の激突の場になったのです。
楽しみな牝馬なのに、情報がほんの少ししか出てきません。ならばここで紹介しちゃいましょう。
サリオスの勝利の影で
エクメディノツルギの猛追
アブソルティスモとサリオスの頂上対決を制したのは、サリオス。上がり最速33.1秒で、ゴールに飛びこみました。その後のほうで、1位争いに次ぐ上がり3位のラップを叩いたのが、エクメディノツルギでした。
サリオスが直線で動いたとき、エクメディノツルギもギアをトップに入れ替えました。2頭のはるか後方で、スパートした彼女のラスト3ハロンは、34.4秒。小さな女の子は、どんじりから3着と僅差の4位まで追いあげて、1分38秒6でゴールしました。
エクメディノツルギの馬体重は436kg、サリオスは534kg。2着のアブソルティスモも496kgと大柄です。女の子でも小さくても斤量はハンデなしの54kg。重い荷を背に、エクメディノツルギはあっぱれな追いでした。
不安そうなデビュー戦
夕夏さんが撮影された、エクメディノツルギです。「ここはどこ?何がおこってるの?」キョドキョド・・ほやほやの女子中学生、さっそく場に呑まれています。エクメディノツルギちゃん
お洒落~かわいい!
サリオスやアブソルティスモを
倒してね。
頑張れ☆ https://t.co/QIBVIskYh7— 管理人へんてこでそーな (@Nimporte_quoi_A) June 2, 2019
お洒落してもらったのに、おっかな吃驚パドックを歩いています。知らない場所で大勢のひとに囲まれて、不安だらけなのかうつ向いてしまいました。
東京5R メイクデビュー東京
エクメディノツルギ
ウチパクさんが騎乗する前にかなり長い時間をかけて何かを話しかけながらナデナデしていました✨
デビュー戦で緊張してるエクメディノツルギちゃんの緊張が少しは和らいだかな☺ pic.twitter.com/1Z9vkv8v6W— 夕夏 (@yuu_ka5963) June 2, 2019
なでなでコミュニケーション に時間をさいて、リラックスさせる光景もみられました。はじめてのお使いみたいで、見てる側もハラハラします。でも、彼女はきちんとやりとげました。
JRAの育成馬
7000頭のうちの50頭
エクメディノツルギは、JRAの育成馬です。日本中央競馬会ことJRAは、毎年繁殖牧場を訪ねて、将来が見込める1歳馬を購入しています。目的はズバリ、強い馬を育てることです。JRAの眼鏡にかなう仔馬は、わずか50頭。エクメディノツルギは選ばれし馬なのです。設備の整った育成牧場で訓練をうけた育成馬たちは、二歳の春にセールにだされます。
エクメディノツルギは今年の4月23日、594万円で馬主さんの手に渡りわたりました。深山厩舎に預けられ、調教一本こなしただけの、新馬戦デビューです。
バッチリお洒落な姿で送り出されて、優しくケアされながら、立派に初仕事をこなしましたね。
エクメディノツルギの血統
父 スクワートルスクワート
エクメディノツルギのお父さんは、米国のチャンピオンスプリンターです。2001年には、BreedersCupスプリントの王冠にも輝きました。弾丸スピードで優勝のスクワートルスクワートは、3番ターコイズです
体躯ムチガチッ脚はやっ!
名前の由来はポケモンのゼニガメから来ているのだとか。俊足スプリンターのこの馬は16戦8勝で引退後、種牡馬として日本に輸入されました。地方競馬を走る産駒を残しています。
母クサナギノツルギ
お母さんは、1400から2000メートルを出走した栗毛の馬で、三種の神器のひとつクサナギノツルギが、名前の由来です。26戦2勝で繁殖馬になりました。東京の芝とダートをこなすスパーダネーラは、エクメディノツルギの全兄です。血統表
netkeibaさんの血統表でみると、彼女はノーザンテイスト4x4 ノーザンダンサー5x5x5のクロスです。両頭とも10%前後とさほど濃くはありません。桜花賞で再会が楽しみ
持ち味はスピード
新馬戦をひかえた先月下旬、美浦のトレセンの坂道調教が行われました。ラスト1Fハロンの最速タイムを出したのは、ハーツクライの娘モーベットで12.3秒。エクメディノツルギは次点、12.6秒で駆け抜けています。モーベットは、メイクデビュ東京の牝馬戦1600メートルを勝ちました。期待される牝馬の一頭です。8馬身突き放して圧勝したリアアメリアは、次のアーモンドアイになるのではないかと噂の大器です。
ピリッとした強い馬になって
エクメディノツルギはスポットライトを浴びるスーパーホースというより、ピリっと締まったキレ味の良い女の子に成長してくれそうです。お父さんはスタートから飛ばす逃げ馬ですが、新馬戦を見るかぎり、彼女は差し馬のようです。これから飼い葉をたくさんたべて大きくなって、親ゆずりのスピードを伸ばしてくれれば、桜花賞できっと会えると思っています。
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