「ディアドラの次走」果敢な欧州遠征と引退までのカウントダウン

スーパー牝馬

ディアドラの欧州遠征の最終章は、英国チャンピオンズステークスになりそうなのですが・・

直前になって馬場問題が浮上しています。雨天が続き、10月19日の馬場状態はSoftからHeavy、日本でいう重か不良の見通しです。
本コースには水たまりも出現しており、異例のインナーコース開催案が浮上しています。ややまし状態の内側コースになるにせよ、今後も降ったり止んだりです。
下手すると、こちらも重か不良に転落するかもしれません。
ディアドラ陣営は、馬場の状態がひどければ回避してブリーダーズカップに出走すると発言していました。海外遠征のシメは英国か米国か?まもなく決定されます。

英チャンピオンステークス

アスコット競馬場で、2000メートルを競うG1レースです。ディアドラの英国遠征初戦、プリンスオブウェールズSと同じ舞台です。
「彼女には速いトラック」と、マーフィー騎手が推すように、アメリカの速いトラックを駆けるディアドラを観たいものです。が、アスコットリベンジも非常に興味深い点が2つあります。

上り勾配とソフト馬場攻略

プリンスオブウェールズSとナッソーSのラップ比較

  • AScot 6/19プリンスオブウェールズS 6着 馬場状態:
  • Goodwood 8/1ナッソーS 1着       馬場状態:


ゴールへの直線が1000メートルと長い下りのグッドウッドでは、残り800mあたりでギアが入り勢いにのってゴールしレコードで優勝です。
アスコットでもギアを入れた形跡がありますが、タフな坂と重い馬場になす術はありませんでした。
このときの走破時計は、2:12.67です。1着のクリスタルオーシャンに2秒02も離されました。10ハロンで、2分12秒の時計なんて日本では考えられませんよね。
アスコット競馬場の高低差詳細

ゲートから800mまでは下りから平坦で天国ですが、そこからは地獄です。ゴールまで上りっぱなしの1200mが待っています。
ディアドラは1000~1200m地点、オールドマイルの踊り場あたりでスパートを試みたようです。結果は見ての通りです。
ディアドラが英国に到着して、かれこれ半年が過ぎました。ニューマーケットで坂錬を繰り返した彼女は、この勾配でも追い込める力をつけたのか?ソフト馬場をもこなせるようになったのか?
ものすごく興味深い一戦です。



愛チャンピオンステークス

>>ディアドラの実力が光った4着 <<


ディアドラは4着で入線。誰の目にも、彼女の実力を認めさせる4着でした。
最後の直線で、エラーカムやヘッドマンが行きません。前があかないディアドラは、外へまわりこんでスパートします。このときのロスが約0.40秒。
このロスは、1着のマジカルとの着差とほぼ同じです。タラレバは禁物ですが、進路が開けていれば優勝あらそいを競う位置にいました。ほんと、心身ともに強くなってます!
愛チャンピオンステークスは、アイルランドの中距離王者を決めるG1レースです。
ロンジンの格付けでは、ブリーダーズカップターフや秋の天皇賞、有馬記念あたりと肩を並べています。
G1牝馬戦のナッソーステークスから、対戦相手のグレードがぐっと上昇。今回ディアドラが挑む英愛一線級の面子は、3カテゴリーに分類されます。
  • おなじみのランナー
  • 見なれない新顔
  • 低評価されすぎ

おなじみ勢には、毎回涙をのまされるマジカル女史、インターナショナルSの叩きあいで、日本の競馬ファンにも顔を売ったエラーカムがいます。

なじみが薄い新顔は、マッドムーンやヘッドマンです。日本馬と走ったことがないので、いまひとつ正体がわかりません。
見くびられすぎ勢もいます。前売りオッズの評価が不当に低い馬たちです。
迷走するダービー馬アンソニーヴァンダイクや、アエロリットにスタミナをつけたような女の子、マジックワンドのことです。
8年ぶりに勝ち星を奪還したいオブライエン師は、マジカルとスピードのある3頭を選びました。速さが求められるレースのようです。ということで、
①得体の知れない新顔と、見くびられてる出走馬の正体を見極める
②各馬のスピードはいかほどか?

2点をテーマに資料を集めてみました。

マジカル銀行に投資して、ディアドラを買うだけじゃつまんない。読めば、2着3着に来る馬のイメージが、脳内でくっきり鮮明になりますよ~!

アイリッシュチャンピオンステークス

  • 開催日時:2019.9.14 発走 日本時間翌24:15
  • 場所:レパーズタウン競馬場
  • 競走条件:3歳以上 牡牝セン馬
  • 賞金:1着 8600万円 2着 3000万円・・8着150万円

レパーズタウン競馬場

左回り2000m 直線距離400m 起伏少ない


向こう正面手前から発走。左上のターン越えると残り5ハロン、速度が上がりはじめる。400メートルの直線は、後半ゆるい上り坂。
【勝利時計】

  • レースレコード:2:00.92 スノーフェアリー
  • 過去3年:2:07.21 2:08.36 2:08.93
  • 速めの時計:2:05台 シーザスターズ2:03.90

出走馬のオッズ評価

馬名 斤量(Kg) オッズ 備考
マジカル牝4 59 2.75 今年連対率100%エネイブルとCオーシャンに負ける
ヘッドマン牡3 57.5 4.0 2000m専、末脚炸裂
エラーカム牡4 60 5.5 インターナショナルSでジャパンの3着
マッドムーン牡3 57.5 6.5 英愛ダービー2・4着、コース慣れ
ディアドラ牝5 59 11.0 ナッソーSレコード勝ち
アンソニーヴァンダイク牡3 57.5 15.0 英愛ダービー1着2着
マジックワンド牝4 59 26.0 マジカルのペースメイク
ハンティングホーン牡4 60 50.0 マジカルのペースメイク

出走馬詳細

見なれない新顔たち

初G1でオッズ4.0ヘッドマン

5戦3勝。デビュー後は2000m専です。初めてのG1チャレンジでオッズ4.0の高い評価の理由は、動画の走りを見ればわかります

>>2019ユージェーヌアダム賞・ピンク帽子がヘッドマン <<


彼の武器は、末脚とスピードです。8戦7勝(G1・5勝)の戦績で引退したマイラー・父キングマンの血か、時計も秀逸です。
動画レースの勝ちタイムは2:02.66、レコードとの差はわずか0.26秒。その前のロンドンゴールドカップは、レコードで制しました。ペースが遅かったドーヴィルのG2以外は全て好時計です。。
こんな馬が後方に控え直線で突進してくると思うと、前は急がざるを得ませんね。
もと騎手のチャールトン調教師が、熱望する条件は2つ。良馬場と速い展開です。「前が飛ばしてバテたところをゴボウ抜く」と自信マンマンで語っています。道悪は未知数です。

チャールトン師の願いは叶いそうです。優勝候補のマジカルは、ゴール前のキレ不足。ディアドラやヘッドマンがいるんじゃ、飛ばして行かないと追いつかれちゃう。マジカルは2000mでへたばる馬でもないですしね。

低オッズ6.5の理由は?マッドムーン

7戦3勝馬の3歳牡馬。この馬のオッズ6.5は、イマイチ謎です。
昨夏のレパーズタウンのマイル戦で1着デビュー、翌月の同コースのG2マイルも勝利でしました。愛ギニー7Fは2着だし、そこそこ走れるので5戦目は英ダービーに出走。
英ダービー愛ダービーは、それぞれ2着と4着。ダービー後は、長めよりマイル適性判断で回帰。先月8月15日レパーズタウンで開催された、G3マイル戦・デスモンドステークスを勝ちました。
レパーズタウン開催レースに4回出走し、連対率は確かに100%です。ただし内訳はマイル3本と7F一本。勝ち時計は平凡です。
良馬場で1分42秒台と1分41秒台は、愛英仏マイルを席巻する、牝馬ローレンスの39秒台と比較すると見劣りします。距離は走れるので息切れはないかもですが、安心して飛びつくほどでもなさそう。




見くびられすぎランナー

英ダービー馬アンソニーヴァンダイク

本気出すかサボるかは、神のみぞ知る。真面目に走ってくれたら、アンソニー君のスピードはあなどれません。
英ダービーをレコード勝ちしたアンソニーヴァンダイクは、愛ダービーでは一生懸命走りませんでした。
父ガリレオに続けと、期待を背負って登場したキングジョージでは、

>>チークピーシーズ姿でこんにちは<<

やる気が無いなのか雨重の馬場に泣いたのか、10着になってしまいました。
前売りオッズは15、かつて負かした馬やディアドラより低い評価です。ここで巻き返さないと後がありません。「愛チャンピオンSとBCターフで結果を出さなければ、来年はバリードイルの調教場はいないかもよ」と脅かされています
実はアンソニー君も、2歳の夏にレパーズタウンで走っています。

>>2018年7月 G3Tyros Stakes1400m<<


時計は大したことありませんが、大差で優勝。翌月カラ開催のG2スプリントでも、1:24.37の好時計で1着。俊足のトゥーダンホットとクオルトにはスピード負けしましたが、他の馬には勝っています。
クラシック路線を進んだ今年は、短距離レースに出ていません。エース交代で、凱旋門賞はジャパンが走ることになりました。丁半どっちが出るか興味をそそる一頭です。

俊足女子マジックワンド

オッズ26は舐められすぎ。今年6月アスコット開催の2000mレースでは、オッズ5.0のエラーカムに先着する2着。10Fなら、バテない女の子です。

>>2019.8月アーリントンミリオン2着・オレンジと青の縞帽子<<

1着はアメリカの芝を無双中の5歳牡馬、ブリックスアンドモルタルです。社台SSさんが購入済で、種牡馬として日本へやってきます。
マジックワンドは、毎回この馬の2着です。2000mのアーリントンミリオンも2分を切ってゴールイン。
昨年のBCターフ・フィリー&メア2200mは4着。米国馬ばりにスタートからぶっ飛ばして、ゴール手前で抜かれました。200メートル短ければ、スーパー女傑シスターチャーリーといい勝負になりました。
アエロリットと走ったこともあります。2019年1月ペガサスWCターフ(1900m)の動画では、ホームターンを待たずに失速し沈むアエッリットを横目に、マジックワンドは王者の後で2着入線。
今回はマジカルのペースメイク係です。レースを引っ張るスピードと、と一緒に残れるスタミナもあります。展開次第では複勝あるかも。




おなじみの馬たち

判官びいきを虜にするマジカル

エネイブルとクリスタルオーシャンには勝てずとも、2019年の連対率は100%。鞍上はムーア騎手と発表されました。
愛チャンピオンSの速め勝ち時計は、2分5秒台です。マジカルはその5秒台が狙える馬です。
良馬場が前提ですが、サンダウンパーク競馬場の10Fの走破タイムに、コンマ5を足したくらいがレパーズタウン競馬場のタイムの目安という見方があるそうです。
マジカルとエネイブルは5月にここで戦い、エネイブルは2:04.77でゴールしました。着差から、マジカルもギリ4秒台だと思われます。それなら、レパーズタウンは2.05秒台で走破できそうですね。
俊足ラビットを2頭従えて出走するマジカルさん。オブライエン厩舎の女子エースに、大きな期待がかけられています。

大枚はたいて出走エラーカム

シュヴァルグランが走ったインターナショナルSで、3着にくいこみお馴染みになりました。前回と同様、1000万円近い追加登録料を負担して出走します。
今年5月にサンダウンパークで開催された2000mのガラステークスは、2:07.11で1着入線。インターナショナルSは2.07.96で3着でした。愛チャンピオンの、一般的な勝ちタイムは期待できます。
ちなみに、グッドウッドでディアドラと同じコースを走っています。今年5月のフェスティバルSも勝ちました。良好な馬場状態で、時計は2:05.68でした。なんとなくエラーカムのスピードが掴めます。
愛チャンピオンSを勝てる脚ですが、決め手には欠けます。
ディアドラがナッソーで見せた走りを再現できれば、勝利は幻想から現実に変わります。2:02.93の勝利時計は、無視できない速さです。
インターナショナルSでは、ジャパン君の頑張りで、1万円が0円になりました(泣。今回はディアドラを応援しつつ、握りしめた5000円を1万円に増やすべく馬選びに励みます~

レパーズタウン競馬場の当日天気は?


ディアドラが喜びそうな好天です。馬場状態はGoodになりそうですね。




G1ナッソーステークス

  • 開催日時:2019.8.1 発走 15:35GMT
  • 場所:グッドウッド競馬場
  • 競走条件:3歳以上 牝馬
  • 賞金:1着4580万円 2着1736万円・・6着100万円

グッドウッド競馬場

英国の南端、海辺の街チェチェスターの丘陵地帯にあります。美しい景色に抱かれたグッドウッド競馬場は、ディアドラに良く似合います。
2000メートルのコースは、コーナー1ひとつだけの右回り。ゆる坂のカーブを超えれば、1000メートルの直線が待っています。

ディアドラの鞍上でコースを走る


  • 長い直線は下り坂
  • 加速しやすい
  • 4歳以上は負担60.5キロ
  • 3歳馬の斤量は56.6キロ

鬼の末脚を誇るディアドラには、うってのコースです。しかし、ディアドラが背負う斤量は60.5kg・・・これまでのレースでは、重くて56kgたいてい55kgで走っています。

牝馬に60kgとは驚きますが、英国チャンピオンシリーズです。甘やかしてはくれません。頭が痛いことに、4キロも恵量の強い3歳女子がズラリ・・ちょっと頭が痛い。

ディアドラの競争相手

エネイブルやマジカルなど、最怖女子が出ないのは朗報です。でも速い馬が出てきます。
前売りオッズ表には、ディアドラ以上のオッズの子が10頭もいます。

馬名 斤量(Kg) オッズ 備考
ヘルモーサ 56.6 3.25 G1すでに3勝、速い
メダイヤ 56.6 5.0 いい末脚もってる
チャンネル 56.6 6.0 仏オークス優勝
マックサッド 56.6 6.5 中距離だと結構いける
ローダ 60.3 6.5 ラーティーダと互角に戦える脚
ディアドラ 60.3 15.0 日本代表差し馬
ディアドラがナッソーステイクスをレコード勝ち!抜群の末脚で1着です。これまで背負ったことのない60キロの斤量で英国G1レースを制しました。




引退して繁殖牝馬へ

The plan afterwards depends on how she gets on at Goodwood, but we would like to run her again once or twice more, hopefully in Europe.
Deirdre is likely to retire to stud at the end of the year.

ディアドラを育てた橋田調教師のお嬢さん、聖子さんが英紙のインタビューで明かしています。
今後の計画はグッドウッドの結果にもよりますが、もう1・2回ヨーロッパで走らせたいと思ってます。
ディアドラは年末に引退し、繁殖いりするだろうと結んでいます。

日本でラストランを飾らないのはなぜ?

海外遠征から帰国した競走馬は、5日間の輸入検疫と3週間の着地検査を義務付けられています。出国期間が60日以内の場合です。
ディアドラは60日以上遠征を続けているため、着地検査に3ヶ月を要します。つまり、帰ってきても年末に引退予定では、レースに出る時間がありません。
競走馬としてキャリアを、果敢な欧州挑戦でしめくくるディアドラ。全力で応援したいです!!

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