「凱旋門賞で消すのは早い」英ダービー馬サーペンタインの能力

2020凱旋門賞

英ダービー馬サーペンタインは、凱旋門賞のステップレースパリ大賞で4着に終わりました。

サーペンタインの鞍上は、スミヨン騎手。
「奇策でダービーを制したまぐれ馬が、やっぱり負けてまぐれ確認」?
でもヘンですね、調教師と騎手は、サーペンタインの走りに大喜びしています。
長く休ませたかいがありました。クリストフ(スミヨン)が大喜びだったので、私も超ハッピー♪
見せ場のないサーペンタインの走りが、なぜそんなに嬉しいの?知ると消せなくなる馬、サーペンタインは非常に興味深く、25年ぶりの逃げ勝ちの可能性もある一頭です。

凱旋門賞の穴馬はサーペンタイン

パリ大賞

優勝:モグール 2:24.46
馬場:良 数値3.2


50年ぶりの速い時計決着です。サーペンタインは前めで追走し、大逃げはしませんでした。
勝ったのは、直線で後方から浮上したモグールです。残り300で先頭を奪ってのゴール。オブライエン師はあらためて馬のスピードに驚き、距離延長をやめ2000mに戻すと発表しました。
勝ち馬のブドー騎手がたくみに進路をとった横で、スミヨン騎手はお客さんのような騎乗です。ムチを一度も使わず、ゴール前でも馬を試しながら抑えているように見えます。
英国ダービー激走後、休養あけのサーペンタインは下見とならし、スミヨンは試乗で納得がいきます。走らせないことで、前走のしんどく辛い記憶をリセット。

サーペンタインは戻ってきて、凱旋門賞に出走するでしょう

雇い主アガカーン殿下の馬が出ないので、スミヨン騎手と再コンビになりそうです。でも穴、本命には平地走のスピードがもうひとつな気がする

パリ大賞の区間ラップ

サーペンタインも騎手もなんもせず、流れるままにコース回っただけのような時計です


ちなみに、同日のフォワ賞のようなスロー展開で、直線スプリントになるとモグールには不利に働きます。ブドー騎手は、「スピードに乗るまで時間がかかる馬だから、我慢してほしい」と指示を受けています。

英国ダービー馬サーペンタインはフロック?

オブライエン師の指示

英ダービーで鞍上を務めたマクナマラ騎手が、オブライエン師の指示やレースの回想をインタビューで語っています
オブライエン師の指示

  • この馬は2800メートルもつ
  • 上手くやればダービーで勝てる馬の一頭だ
  • 飛びだせ、そして好きなリズムで走れ
  • 前半5か6ハロンすぎたら、ひと息入れさせるんだぞ
  • あとはゴールポストまで踏んばれ
「エイダンの言ったとおりになった。自分より上手い騎手はゴロゴロいるが、あの日サーペンタインに乗れたのは俺だけだった」

逃げは至難のエプソムダウンズ

前半飛ばしたら終わるコース

ゲート出るなり、この勾配が1000メートル弱続きます。凱旋門賞の坂の4倍の高低差です。

エプソム・ダウンズ競馬場のコース形状・高低差~英国ダービー・オークス~
英国ダービー・オークスの舞台になる、エプソムダウンズのコース形状と高低差を計測して視覚化しました。遠征する日本馬達が凱旋門賞で顔を合わせる3歳の優駿達が戦うコースは、ロンシャン以上にありえない過酷な2400メートルです。
前半オーバーレースすると終いが持たないとタイムフォームのコースガイドに銘記されています。
てっぺんの千メートル地点まで、普通は1分10~11秒かけて登ります。飛ばした馬は反動をくらい、直線で沈むのがお約束です。
サーペンタインは、1分9秒そこそこで1000通過。続く平坦な区間でさらにスピードアップして、直線入口トッテナムコーナーでは、12馬身のリードを稼いでいました。
ゴール時は5馬身半に縮みましたが、地力のない馬なら自爆マシーンで終わったはずです。
後続もサーペンタインは自滅し後退するとタカをくくっていたのでしょう。飛ばした馬は100%に近い確率で終わるコースですから。しかしこの馬は、ゴール後も余裕があったとマクナマラ騎手がコメントしています。

これが英国ダービーの動画で、時計もおいておきます。

232m地点 820m 1718m 2006m 2410m
Galileo 18.40秒 57.50 115.60 130.60 153.27
Love 18.30 58.90 115.00 131.30 154.06
Serpentine 17.70 56.70 112.90 129.95 154.43
Kameko 17.90 57.85 116.02 132.20 155.54
「発走後は馬の息づかいに集中して好きなように走らせた」とマクナマラ騎手は回想しています。登坂スピードに必要な心肺機能や、登りに使う筋肉の質が良いのでしょう。
距離を稼いだのは坂を登りきってから。平均4%勾配を1キロ駆けあがった直後に速度アップし、急なゴール坂を含むラスト400を、24.48秒で逃げ切ったスタミナは、真似しようとしても出来ないですよね。

サーペンタイン動画デビュー戦から勝ち上がりまで

ダービー4週前までガタガタ

サーペンタインは、英ダービーまでに3回出走してます。
2戦目までは、唖然とするほど酷い走りです。そもそもダービーに出ることすら想像出来ないくらい。

2019年9月17日 デビュー戦ガルウェイ①R 重・不良 1600m  
動画1R 10着/11 1:55.28 1着に遅れること16馬身、ブービー入線。未勝利で終わりそうオーラが漂ってます・・

2020年6月12日 2戦目カラ②R良 2000m
動画2R 5着/17 2:10.49 真っ直ぐ走れず左右によれまくる・・1着はセントレジャー優勝ガリレオクローム※この1週前が、クラシック初戦の2000ギニー(皐月賞)。サーペンタインはまだこの状態です。
凱旋門賞の一次登録締切日は5日後の6月17日です。サーペンタインは登録されるはずもありません(笑
エントリーされたのは、クールモア&バリードイルの期待の星、5億円馬モーグルです。英ダービーのベストホープが凱旋門賞を走る、これが当時のシナリオでした
2020年6月27日 3戦目カラ①R稍重 2000m 
動画1R 1着/8 2:10.89 逃げスタイル確立。 ※ペースは当日全レース平均より2%遅いが、サードラゴネットがいた2Rの古馬10Fステークスの時計を4秒上回る1着
ガルウェイのマイルと、カラの緩~い2000メートルの経験しかないよ。こんなので良く7月4日英ダービーの激走ができたよね・・
持って生まれた能力は、相当高いと思います。力がなければ、まぐれ勝ちもできない厳しい2400mでした。

凱旋門賞

サーペンタインは
・登坂時速い
・平地走のスピードは普通
・スタミナたっぷり
・陣営談では道悪を苦にしない

サーペンタインは道悪が得意か

デビュー戦の不良馬場しか経験はありませんが、オブライエン師やマクナマラ騎手は問題ないと判断しています。
・坂登りが速い馬は、後肢に力がある
・ソフト馬場をこなせる馬は、剥げた芝を後ろ脚で高く蹴上げる
気持ちよく走らせたら、あのスピードで坂を駆け上がってしまったサーペンタインの後肢は期待できそうです
本番はやっぱり逃げしかないように思います。ダービーの後続より、スピードもスタミナも1枚上手の馬たちが相手ですからね。リードを稼いで逃げきるスタイルが合いそうです。
サーペンタインにとっての不幸は、ロンシャンの登り勾配が2%で、高さも10メートルしかないことです。世紀の遁走でもしなければ追いつかれそうですが、着内に残るかもしれません。
スミヨンと組んで、どんなレースを見せてくれるのか楽しみです。3連の1頭に残しておこうと考えています。




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