アーモンドアイが凱旋門賞を走らない理由を詳しく解説ーPart1適正問題ー

アーモンドアイ

まさかの出走しない宣言とは!

アーモンドアイの適正の問題と、競馬界の大人の事情が、断念の理由と言われています。世界中のアーモンドアイファンを落胆させた、凱旋門賞見送りの真相を細かくまとめてみました。

凱旋門賞を走らない3つの理由

平成最後の4月17日、アーモンドアイの馬主シルクレーシングが凱旋門賞登録の見送りについてと題した発表を行いました。地震でもないのに、日本列島は大揺れです。

ドバイ遠征における新たな環境への対応・レース後の様子・長距離輸送での体調の変化などを精査した結果、凱旋門賞への挑戦はこれまでの本馬の経験上、コース・距離・斤量、そして初めての環境と全てがタフな条件となることから、環境適応力・レースそのものの本馬への負荷・レース後のケア環境・長距離輸送などの条件を鑑みますと、「ベストのレース選択ではない」、との結論に至りました

ドバイ遠征でわかったんですよ。この娘は海外遠征に向いてない。もっと遠いフランスの過酷な2400メートルトラックで、重い荷を背負わせて、いつもの走りが出来るとは思えない。故障でもしたらシャレにならない

こんな感じの声明ですよね。




長距離輸送での体調変化

ドバイ出発前、アーモンドアイの体重は497kgに増えてました。ジャパンカップ時の472kgから、ひとまわり大きくたくましくなったと国枝調教師が、満面の笑顔で語っていました。筋肉が増し馬体のハリも申し分ありません。

~ドバイまで11時間のフライト~

ドバイ到着後に計量したら、470kg。検疫と空旅で30kg近く痩せてしまい、痛々しいほどゲッソリしてます。可憐であどけなさが残る素顔の彼女は、遠征のストレスに弱い牝馬の典型のように見えます。


アーモンドアイの食欲は回復し、本番までに7kgとりかえしました。初の海外遠征を勝利で飾り、ドバイミーティングのスターは彼女でした。

帰国後の画像がまだ出てきません。人も馬も東移動の時差のほうが堪える、といいますから、復路も同じように馬体を削いだ可能性があります。(4月2日の帰国のさいは、450kg台まで減っていた模様。痛々しい・・)
4月19日現在、ファームで練習に復帰してる模様です。体重は475kgで元気そうとのこと。早く姿を見せて欲しいな~。

レース後の様子

レース後の様子も、凱旋門賞をあきらめた理由の一つにあげられています。ドバイでも、時間をおいて熱中症の症状が出たと報道にありました。
「もう終わり?」と報道カメラマン達がブーイングするほど、レースの記念撮影を早々と切り上げ、水場へ直行。このときも、立っていられないほど脚がガクガク震えてたと証言されています。
レース後のケア環境の指摘も文面にあります。招待競争のドバイでも、無料で同行できる厩舎スタッフは、たったの1名です。遠征予算が限られるので、ぞろぞろスタッフを同行させることが出来ません。
ことあれば人手を招集して即座に対応する、本国並のケアは期待できないってことですよね。ドバイ滞在中に何かがあったのかもしれませんね。
レースの走りも普段とは違いました。アーモンドアイのおしりをルメール騎手が3回も叩く姿は、見たことがありません。意見が別れたゴール前の減速は、流したのではなく足をとられているようにも見えました。
祝賀ムードと賛辞が飛び交うなか、モヤモヤ感が拭えませんでした。日本よりちょっと重めだけど速いドバイの芝でこれなら、ヨーロッパの芝では、なおさら力を発揮するのが難しくなります。

凱旋門賞で走るコースとは

凱旋門賞レースは、パリの西郊に広がるブローニュの森にあるロンシャン競馬場で開催されます。

アークは難コース

凱旋門賞で走る大回りのトラックは、逃げ馬殺しと呼ばれ、前半の登りが心臓を煽るタフなタフな2400メートルです。皆さん、ちょっと走ってみますか?改修前のジョッキー目線の動画ですが、コースは基本変わりません。
ゲートを出て400メートルは平らです。最初の坂道は、右手に見えてくるプチボワ、小さな木群の手前から始まります。

プチボワから、300メートルかけて7mの高さを登ります。次の坂も300メートルの長さですが、勾配は3mです。合わせて600メートル、10mの高さを登りつめなくてはなりません。
正面スタンドから眺めるこの坂ほんっとすごいですよ、走れって言われたら帰るわ。
前半は抑えて抑えて走るので、なれない日本馬の調子を狂わせる魔の坂でもあります。イケイケすると、今度は後半が持ちません。
2番目のプチボワから始まる下り坂は、コーナーを曲がったところで終わります。突入する直線は、な~んちゃってストレート。ゴールが近いと間違えた馬が飛ばすと、最後に来る530メートルの真の直線で息が切れて、末脚を発揮できなくなります。

ロンシャンの芝問題

ロンシャンの洋芝は、短いときで長さ14センチくらい、長いときは20センチあります。日本の馬場とは違い、芝がびっしり密集して生えています。日本の馬場が固いのは、芝の密度がうすく地下茎がぶっといからですが、洋芝の地下茎は糸のように細いので、馬が蹴る地面はやわらかく力を要します。
日欧の馬場の差は、筋力を直撃します。ロンシャンの2.4%の傾斜は、想像いじょうに脚に来ます。雨でずっしり重くなったら、アーモンドアイには最悪です。左足の蹄の一部がかけていて、パテを埋め込んでいると言われる彼女には、脚の故障の可能性すら心配されます。

3キロも重たい斤量

これは知らなかったんですが、凱旋門賞の牝馬の斤量は58キロでした。3歳牝馬は3kgのハンデをもらえます。
ジャパンカップで世界記録を出したとき、アーモンドアイが背負った斤量は53キロでした。ドバイターフで勝ったときは、55キロの斤量です。4歳馬のアーモンドアイは、58キロの荷を背負って走らなければなりません。
そういえば、2018年の凱旋門賞でエネイブルが2冠に輝いたとき、2着のアイルランド牝馬のシーオブクラスとゴール前で接戦になりました。
「エネイブル大したことない?」と思いましたが、彼女が背負っていたのは58キロ、3歳馬のシーオブクラスが55キロとハンデがあったことを思えば、納得がいきます。
いつもより3キロも重い荷を載せられて、力の要る長い距離を走るアーモンドアイを思うと、胸が痛くなります。残念だけど、無理はさせたくないのひと言に尽きます。



サートゥルナーリアやキセキが登録

凱旋門賞の最新オッズ

大人の事情の大きなウチワで、サートゥルナーリアを扇いで盛りあげる雰囲気を感じます。皐月賞の動画を見た印象は、サートゥルに特別なエンジンついてる・・?。疑問符でした。
ブックメーカーの評価はどうでしょうか?エネイブルと互角だったアーモンドアイが消えたあとの、凱旋門賞前売りオッズ最新版です。
馬名オッズ
エネイブル5.0
シーオブクラス8.0
ガイヤース17.0
トゥーダーンホット17.0
サートゥルナーリア21.0
キセキ34.0
サートゥルナーリアは4戦しかこなしておらず、知名度も低いのでこの数字なのでしょうか?そうじゃないと思います。3戦だけの3歳馬でも、きちんと評価されてます。
ロイヤルアスコットのG1コロニアルSで、早くもオッズ5.0貰ってるスーパーエンジン娘と比べるのは可哀そうですが、そんなもんですよね。やっぱエネイブル姐さん応援しなくっちゃ。
ルメールに同情しちゃうな。アイちゃんは生涯の馬、ボーマンにとってのウィンクスのような存在って話してたのに、晴れ舞台で無名のオッズ21の馬にまたがらなきゃいけないんだもん。
次回は凱旋門賞を回避させた、大人の事情について考察したいと思います。
「アーモンドアイの凱旋門賞回避はかなり前からの決定事項で、まだ発表しないのかと思っていた」競馬界の中の人の談話がネットに晒されてました。
国枝師やルメール騎手がドバイで振りまいていたのは、アーク制覇に前向きな内容ばかりです。あれが演技なら、二人にはオスカーが相応しい。

ルメール騎手の母国語インタビュー

1分40秒頃からです。アーモンドアイの次走について尋ねられると、
「まだ正式じゃないけど、8月23日のヨークのオークスに出て、次は凱旋門」と軽快に答えています。重賞アークに対するプレッシャーの事とかちょっと雑談して「10月最初のウィークエンドで会いましょう♪」で終わっています。
中の人が指す”かなり前”がいつの頃からは不明ですが、調教師や騎手は芝居を強いられたわけではなく、蚊帳の外だったんでしょうね。

アーモンドアイが凱旋門賞を走らない理由を詳しく解説ーPart2大人の事情ー
アーモンドアイが大人の事情で出走できない 一年前の春、同じようなことがありました。フレッシュで優駿な実力のある馬を競わせて、日本一の3歳馬を決める日本ダービーのときです。 アーモンドアイは当時3歳。15頭の馬をごぼう抜きで勝った...




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