「2020エクリプス・ステークス」エネイブルがガイヤースに先着できない理由

スーパー牝馬

6歳になった女王を迎え撃つのは、凱旋門賞3連覇の夢を打ち砕いた元凶、ガイヤースです。

①エネイブルがガイヤースに先着できそうにない理由
②ディアドラは3着入線できそう?
③ディアドラ着内を邪魔しそうな馬たち
これらについて纏めました。
では、エクリプスステークスの概要から。

G1エクリプス・ステークス

サンダウンパーク競馬場:2002メートル 右回りワンターン
斤量: 4歳以上牡58.5 牝57.2(3歳牡55.8kg牝54.4)
総賞金 £250,000.00(約3300万円)
コース形状や高低差、ジョッキーの成績はこちらで確認ください。

サンダウンパーク競馬場のコース・高低差・リーディング騎手
エクリプス・ステークスが開催されるサンダウン競馬場のコース詳細や高低差を視覚化。馬場を知れば、エネイブル・ガイヤース・ディアドラのどの馬に有利なのか丸わかり。

エクリプス・ステークス出走馬

調教国のレーティング順(牝馬未加点)に並べてます。

馬名・齢 レーティング 前走
エネイブル6 128 凱旋門賞2着
ガイヤース5 126 コロネーションC1着
ベンバトル6 125 秋まで休養
ロードノース4 124 回避
アディーブ6 122 プリンスオブウェールズ2着
マジカル5 122 6/28プリティーポリーS
ジャパン4 122 プリンオブウェールズ4着
アンソニーヴァンダイク4 121 7/28キングジョージ次走
キングオブチェンジ4 120 秋まで休養
ディアドラ6 116 モハメドYNMカップ2着
マジックワンド5 115 ランウェイズスタッドS1着
リーガルリアルティ5 116 ウォルファートンS3着
バーニーロイ6 116 プリンスオブウェールズ3着

エクリプスS概要・コース

  1. ゲートから直線ターンまでは下り~平坦
  2. 直線入ってゴールまで800メートル上り坂
  3. 坂の序盤は1.7%、ゴール前500メートルは2.4%↑勾配
  4. 前半おさえて後半に備える
  5. 道悪は全体外へよる
サンダウンパーク競馬場のコース・高低差・リーディング騎手
エクリプス・ステークスが開催されるサンダウン競馬場のコース詳細や高低差を視覚化。馬場を知れば、エネイブル・ガイヤース・ディアドラのどの馬に有利なのか丸わかり。

エネイブル対ガイヤース勝つのはどっち?

ガイヤースが勝つと思う。エネイブルは心身強靭なスーパー牝馬だけど、そこまで速い馬じゃないもん

負けん気女王エネイブル

エネイブルは昨年も、エクリプスSで始動しまた。結果はもちろん1着です。
昨年はラビット役のハンティングホーンが先行し、エネイブルとマジカルが追走します。鞍上のデットーリ機種がGO!を出したのは、残り400のハロン棒地点。エネイブルは秒でハンティングホーンをかわすと、ゴール坂を余裕で駆け上がり1着です。2着のマジカルは、3/4馬身遅れてゴール。

>>2019年Coral-Eclipse Stakes<<
馬場状態:良(Good to firm)
走破時計:2:04.77 レコード:2:03.40

しかし、今回の相手は、ハンティングホーンよりずっと速くて強いガイヤースです。この馬を抜くのはマジ至難💦
今年も良馬場の予想です。2分4秒前後の決着になるのではないかと思います。シーザスターズ並のスピードを、エネイブルに期待できるかと考えると、疑問です。

区間ラップが語るエネイブルのスピード

2019年9月ヨークシャーオークス(良馬場)・エネイブルの区間ラップでペースを精査してみましょう。直線が平坦で1000メートルと長いヨークで刻んだラップです。
・前半1000メートルを65.85で通過
・1000メートルの直線入後、残り800でスパート
・ゴールまでの1000メートルは58.01秒
・上がりは34.15秒
さすがに、ギアが入ったら秒で加速します。マジカルが残り400で追いついたときも、ハロンタイム11.05秒のスピードで突き放したときは身震いしました。
そんな女王でも、道中タラタラ走ったら、ガイヤースには勝てません・・・
そのうえ、サンダウンのゴール前500メートルの勾配は、民家の屋根くらいあります。動画で確認すると、平坦なヨークのラスト2ハロンで魅せた華麗な脚回しに比べ、エクリプスは鈍いです。
ガイヤースが4馬身前にいたら、この坂で1秒上回らないと抜けません。いつもは危なげない女王も、今回ばかりは心配です。

ハイペース巡航の帝王ガイヤース

平均ハロンラップは11秒台半ば

ガイヤースは先頭で競馬をする馬です。
2020年6月5日ニューマーケットの2400メートルG1 Coronation Cupの美しい区間ラップをご覧ください。
ニューマーケット競馬場はL字型のコース。L文字の終わり部分からスタートして、コーナー曲がってからの直線距離は2000メートルです。

・ゲートから1000メートル通過は推定64.11秒
・直線前半1000メートルは推定58.1秒
・直線後半1000メートルは58.97秒
・全行程ハロン平均12.15秒
・道中11.5秒程度でコンスタントに巡航する
ラスト1ハロンのラップが遅いのは、ゴール前が上り坂だからです。最初から終わりまで11秒台半ばで走るので、他の馬はたまったもんじゃありませんよね。
陣営
陣営
ガイヤースは、道中のクルージング速度がメチャメチャ速いんですよ。追走する馬にとっては絶望的なスピードです。
サンダウンのコースは、前半の1000メートルが下り気味の平坦です。後半に余力を残すため抑えていくところを、この馬は無慈悲にペースをあげて行くことでしょう。
デットーリ騎手はどうすると思う?バカ正直に追走したら、ゴール坂で差す脚を奪われちゃうよ。ゆっくり行ったら離されて届かないよ!どうするどうする?
コーナー通過して直線の上り300メートルは、1.7%勾配です。栗東トレセン坂の序盤の傾斜よりゆるく、さほどスピードは殺さない。
勝負どころの残り500メートルから、傾斜が上がります。
ここでガイヤースを捕らえられると思えばエネイブル、無理と思えばガイヤースでしょう。

エネイブル・ガイヤースの2400メートル速度比較

ハロン 1-4 5 6 7 8 9 10 11 12 上がり 走破時計
エネイブル 1~2F27.04 3F13.27 4F13.08 12.46 12.88 13.20 12.48 11.40 11.12 11.05 11.98 34.15 2:29.90
ガイヤース 1F15.98 2~4F36.55 11.58 11.46 11.37 11.55 11.46 11.62 11.61 12.74 35.96 2:25.89
・エネイブルは2019年8月、ヨークの実質ワンターン2370メートル
・ガイヤースは2020年6月、ニューマーケットのL型2420メートル
・両コースともに、ほぼ平坦
エネイブルの斤量は60kg、ガイヤースは57kgだからね。エネイブルの負けとは言えないんじゃない?
その通り。ガイヤースはドイツのバーデン大賞で初めて2400を走破しました。そのときの斤量は60キロ。タイムは2:30.08でレコード、14馬身先着です。
このときのハロン平均は12.5秒。出足とコーナーを除くと、11秒台で走破したはずです。平坦な12Fで同じ斤量ならガイヤースのほうが速そうです。エクリプスSは、ガイヤースが58.5Kgエネイブルは57.2kg背負います。

凱旋門賞3連覇の夢をつぶしたガイヤース

2019年の凱旋門賞に出走したガイヤースの成績は10着、後ろにはブラストワンピースとフィエールマンがいただけです。勝ち馬からは33馬身も離されました。
いっぽう、エネイブルは2着。が、これで判断するのは早計です。
雨でしっぽり濡れ、10メートルの丘を登り下りする力の要るロンシャンの重馬場で、この馬1800地点まで先頭でぶっ飛ばしました。ソフトでもスタイルは変わりません。サンダウンの2000メートルなら、多少の道悪でもゴールまでもちそうです。
「エネイブル引退撤回」なぜ女王は凱旋門賞で破れたのか?
雨の重馬場に次々と潰れていく馬たちを横目に、「なぜ勝ち馬だけが、ラスト3ハロンを12秒台で走れたのか」女王エネイブルの敗因と、立ちふさがったヴァルトガイストの走りは素か作戦か?調教師の分析・ジョッキーの回想・区間ラップで明らかにしてみました。

欧州馬場を克服したディアドラ

英チャンピオンステークスの区間ラップ

アスコット競馬場(インナー)1M2F 馬場状態:重
優勝:マジカル2:08.42 2着アディーブ2:08.61 3着ディアドラ2:08.92
オレンジがマジカルの区間ラップで、緑がディアドラです。マジカルに2馬身離されましたが、ラップの刻みは相似、完全について行ってます。
このレースは、悪天候で急遽インナーの障害コースに変更されました。高低差は同じです。道悪は苦手な馬なのに、ソフトでここまで走れるのは素晴らしいことです。良馬場なら差は詰まっていたことでしょう。

アスコット・インナーコースの高低差


こんなコースの重馬場で、こんな走りが出来る日本馬は、ディアドラ姐さん以外にいなさそうです。
斤量は58kgでのパフォーマンスです。今回のエクリプスは57.2kg。勝ったナッソーは60kgでした。

ディアドラ3着なるか?

もっとも嫌なロードノース

【回避】ロードノースは出走しないため隠しました
ディアドラ3着にとって最大の脅威は、4歳セン馬のロードノースに見えます。
”母”
Dubawi
2020G1プリンスオブウェールズS1着
ゴール前の脚の動きの恐ろしいこと。

去勢してから連対率100%

2019年5月、牡馬時代の最後のレースはビリ。寸評は「ゲートに入らない、走る気まったくなし、進歩ゼロ」でした。
昨秋セン馬で復帰してからは、別馬です。2重賞2を含む6戦4勝、2着2回で連対率100%の成績です。
レースごとに伸びてる印象で、60kgを超える斤量経験もあり、どう見てもジャパンより強そうです。中2中2の出走で、お疲れが出るのが、唯一の心配でしょうか。

ジャパン

ジャパンは、昨夏のインターナショナルステークスでクリスタルオーシャンを負かして優勝しました。斤量差は、約4キロでした。
・2019年8月のヨークシャーオークスとInt’lステークスの直線比較
・全力出す残り800メートルのハロンラップです
・ジャパンのレースは前半1000m70秒14のドスロー
ヨーク・良馬場 ラスト4 ラスト3 ラスト2 ラスト1 上がり
エネイブル 11.40 11.12 11.05 11.98 34.15
ジャパン 10.76 10.78 11.60 12.56 34.95
エネイブルは2400メートルで60Kg負担、ジャパンは2000メートルで斤量56.5キロでした。
女王を負かすのは難しそう。この馬、上り勾配もあまり得意そうには見えません。ともあれ、ロードノースの回避の恩恵を一番うけそうな馬ですね。
ディアドラ姐さん、応援してます!マーフィー3着頼みますぞ。
お布施が上手なわたしの予想は、1着ガイヤース 2着エネイブル 3着ジャパンかディアドラです。

2020年エクリプスS結果

エネイブル届かずガイヤース逃げきる

女王の敗因

前半1000mガイヤースが61.19秒で牽引したハイペース、9ヶ月ぶりの初戦と加齢もちょっぴりでしょうか。
走破時計 1F 2 3 4 5 6 7 8 9 10
ガイヤース 2:04.48 14.52 11.59 11.47 11.69 11.92 13.23 11.37 11.90 12.89 13.90
エネイブル 2:04.89 14.62 11.72 11.64 11.84 11.99 12.56 12.09 11.74 12.63 14.05
エネイブルの昨年の勝利時計は、2分4秒77でした。速いガイヤースがペースを上げ引っ張ったため、前半1000メートル通過タイムが昨年を1秒上回りました。さすがの女王もゴール前で差し切る余力がなかったようです。
時計的には昨年より0.12秒遅いだけで、老化を感じさせるものではありません。脚力とスタミナが問われるのは、次のキングジョージです。



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